あの天下一武道会のこと(ペーピョットッ)|酒と肴 その三十五
世間では平和の祭典が催されておりますが、残念ながらそのご利益・ご威光は我が家まで届きません。
酒に溺れて脛に傷、太ももにセルライトを蓄える人間はオリンピック精神に背いていますから、当然の報いなのでしょう。とは言え「悪人正機」という考えもありますので、草葉の陰にいるクーベルタン男爵がうまいこと口添えしてくれるのを期待しています。世界平和は家庭平和からですので、ひとつフランスの方を向いて柏手を打っておきましょう。何ならカップ酒もお供えしときましょう。
それにしてもオリンピズムの理念が高尚なのは、成し得ることが難しいからこそ。その辺りは躾とよく似ています。大概の親が自分たちに出来ないこと(嘘をつかない等)を子供らに求めていますが、それと同じ構図です。
まあ、理想的なものほど賛同者も多いのでしょうけれど、人が集まるとトラブルも増えるのが現実的。次から次へと問題が騒がれていましたが、さもありなんと思われます。
さて、私はすれっからしの大人です。今さらオリンピックに夢は見ません。けれど、平和を願う心は今でも持ち続けていますので、一日でも早く穏やかな日々が来ることを願って、ミャンマーの豆料理を作りました。
ペーピョットッ、ひよこ豆のサラダです。ミャンマー料理ではお茶の葉のサラダ「ラペットゥ」が有名ですが、作りやすさとしてはこちらがお勧め。材料もすぐに手に入ります。
ラジオ中継を聞きながら料理をしていると、不意に、水不足の村を救うため、天下一武道会に参加した彼のことを思い出しました。惜しくも準決勝で敗れましたが(ランファンとも色々ありましたが)、亀仙人たちとの交流を通じてホイポイカプセルに水を入れ村へ持ち帰った天空×字拳のナム。お祭りの雰囲気と手に汗握る試合、それと少しの感動。私が理想とするオリンピックはこんなんです。
連日繰り広げられる熱戦。残念ながら今回の大会は、賑やかなお祭りの側面は影を潜めています。だけどお祭りには「感謝・祈りの儀式」という面もあり、これは各国に共通するものだと思います。そして賑やかさが失われた分、どうせならいつものオリンピックより多く、世の中の問題に光が当たることを願います。
このところの暑さのせいか真面目に過ぎた気がするので、ロング缶でクールダウンしときます。いつの日か、酔っ払ったあちこちの国の旦那や姉御と乾杯をして、ゲラゲラ笑いたいものですね。ゲラー。
メニューと材料
・ぺーピョットッ(ひよこ豆、細ネギ、玉ねぎ、ごま油、塩、フライドオニオン)