Dang Dang気になる|日々の雑記 #99
先日、46歳になりました。
そして今年は入社24年目です。
つまり、人生の半分以上をイチ会社員として過ごしてきた訳です。遠い昔は何者かになれると思っていましたが、実際には世間の片隅で回り続ける会社の歯車。おかげさまで、トラブルもぼちぼち経験してきました。
他の人からしたら、なんてことない話ばかりだと思います。だけど当事者にとっては、どれもこれもしんどいもの。まれに結果オーライな時もありましたが、大体はこちらが重傷な痛み分け、そんなケースが多かった気がします。
だからこそ世の中には異世界転生モノを始め、サラリーマン主人公が報われるファンタジーが多いのではないでしょうか。
青年誌だと、トラブルが起きたら謎の美女(実は重要な関係者)が現れるのが定番でして、一夜を共にするとピンチが解決するのです。人によってはそれを繰り返し、出世の階段をのぼっていくのですから、現実が阿呆らしくなっちまいます。
残念ながら私はマンガの主人公ではありません。問題が起きても機転は利かず、腕っぷしはからっきしです。謎の女性との何やかやなんて、都合の良い話は一度もありませんでした。
だからこそ主人公ではない登場人物、それも周りに迷惑を掛けてしまうようなキャラに、強いシンパシーを覚えるのです。
『島耕作』シリーズなら今野輝常、『えの素』なら田村さん、そして『美味しんぼ』なら富井副部長です。
富井副部長、学生の頃は意味不明でした。「子牛音頭」で検索して頂ければ分かる、正気の沙汰とは思えない狼藉っぷり。何でこんな人が会社員、それも管理職なんだろうと不思議でした。
それが自分も大人になり、社会に出てみて分かったんです。しがらみと忖度が横行する中で、本音を語ることがどれだけリスキーか。
富井富雄さん、酒に呑まれての暴言か大半ですが、私たちが飲み込んだ言葉を代弁してくれてる、市井の勇者だったのです。
確かに彼はトラブルメーカーです。だけど反省する心を持っています。
実際、多くのトラブルは無自覚な人たちが、社会や組織の仕組みを通じて、自分の欲求やコンプレックスを解消しようとする中から生まれる方が多いんです。そして当人たちは、それを正しいと、良いことと思い込んでたりしますから、どうにも始末に負えないのです。
さあ、今こそ彼のクズエピソードを読み返しましょう。見え方がまるで違ってくるに違いありません。富井副部長こそ、私たちサラリーマンが求めるダークヒーローなのですから。
(あくまで個人の感想であり、この記事は自分への戒めでもあります)
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