いつも心にアントワネット|日々の雑記#27
ゴールデンウィークも終わったいつもの金曜日、心と財布にぽっかり穴があいています。
お店の支援とステイ・ホームを言い訳に、テイクアウトした料理でたくさんのお酒を体にステイさせたことがその原因。夢の様な5日間もゴミ箱いっぱいの空き缶を前にして、まちがいさがしの間違いの方だと思い知りました。
それにしても財布は軽いのに体は重いというミステリー(と言う勿れ)。犯人は誰でもない自分な訳で、真実がいつもひとつだと逃げ場がなくて辛いです。
自分自身が犯人なら多重人格のトリックが定番ですが、私の場合は心にマリー・アントワネットと言うフランス人主婦が住んでいます。念のためアルコールによるアレではないと申し上げておきますが、彼女のおかげで懐が寂しくとも高貴な心を失わずにいられます。
今日も財布の中身を心配しつつ買い物をしていたら、彼女の声が聞こえてきました。
「ビールが高ければ新ジャンルを買えばいいじゃない」
「大切なのは肉ではありません、香りです。huile de sésame(ごま油)を回しかけるのです」
「出過ぎた真似をお許しくださいね、ムッシュ。ニラがお安くなっておりますわ」
こんな感じでお言葉に従っていたら、ニラともやしのナムルで晩餐会を開くことができました。
香り高いナムルは疲れた胃腸に優しく、連日の舞踏会で低下した免疫力を回復させてくれます。今宵は自主規制で鑑賞物としてのお酒ですが、パッケージがフランス王家の紋章を思わせるアサヒ ザ・リッチは、置くだけでテーブルが引き締まります。
すると広くない2DKがプチ・トリアノン宮殿に見えてくるから不思議です。
それなら私は「フェルゼン?」と思いましたが、サイドエフェクトで各方面からお叱りを受ける未来が見えるため、名も知れず咲く一輪の花としてそよいでいることに決めました。
気がつけば話がおかしな方に進んでいます。頭の調子を整えるためにも、そろそろお酒を飲んだほうが良さそうな気がしてきました。
『新…ジャンル……、かんぱ…い…!』
これはオスカル様のファンに怒られるやつですね。(原作の方)