抜け落ちる。｜日々の雑記＃16

「果たしてお前たちは志半ばで去るものか、それとも私に嫌気がさしたのか？」

秋の夜、浴室の床に膝をついて自問する。見つめる先にあるのは取り戻せない現実、抜け毛が増えて仕方ない。

＊＊＊

なんて走り書きをノートに見つけると、夕べは飲み過ぎたと反省します。

お酒を飲むほど頭の中がクリアになっていく気がして、ノートを広げ思いつくまま言葉を書き連ねるのは楽しいものです。けれど上述の通り、書かれているのはろくでもないことばかり。間違ってもノートを落としたり、家族の目に触れるところには置いておけません。書き記す、その瞬間は自分の着想に気分も高揚しているはずなのに、一晩寝たら忘れてしまうのだから始末に負えないものです。

こんな具合にお酒を飲むと記憶がクリアされるのが大概ですが、その分気持ちはいつも新鮮、日々是初体験です。きっと逮捕された時に「酒に酔っていて覚えていない」とコメントするのはこういう人でしょう、くれぐれも飲み過ぎには注意しなければなりません。そもそも稀有な経験をしたのに覚えていないなんて、詰まらないじゃないですか？

そんな不安と興味を打ち消すためにも、今夜はあと一杯だけでよしておきます。忘れぬうちに、とりあえず今週末の美容室はヘッドスパも予約しました。

抜け毛予防に抜かりはありません。