シンガポールのぷるぷるお菓子「ニョニャ・クエ」
こんにちは。わん吉です。
今回ご紹介するカラフルなお菓子は「ニョニャ・クエ」。シンガポールやマレーシアのプラナカンの家庭に伝わる、お母さん(ニョニャ)の手づくり菓子(クエ)です。
プラナカンとは、15世紀にはじまる大航海時代、貿易の中継地であったマレー半島にやってきた中国やインド、中東やヨーロッパの男性が、現地のマレー系女性と結婚して築いたミックスカルチャーの生活様式のこと。
建築やインテリア、ファッションや料理などの生活文化全般に独自の美意識が織り込まれ、現代のシンガポールやマレーシアなどに伝わっています。
老舗プラナカン菓子店 ブンガワン・ソロの「ニョニャ・クエ」
ニョニャ・クエといえば、どのガイドブックにも載っているプラナカンお菓子店の「ブンガワン・ソロ(Bengawan Solo)」へ。
1979年の創業時は、シンガポールの街角で手作り菓子を売る小さなお店だったそうです。創業者のアナスタシア・ルーさんが、新鮮で質のいい材料を選び、丁寧に作っていたお菓子は次第に評判となり、今ではシンガポールを代表するプラナカン菓子店になりました。
今回は高島屋にあるこのお店で、ぷるぷる系のニョニャ・クエ6種詰め合わせを買ってみました。お値段は9.1シンガポールドル、日本円で1000円。物価の高いシンガポールではうれしい、懐にやさしいお菓子です。
ぷるぷるの「ニョニャ・クエ」 たち
さて、ういろうのようなぷるぷる感があるニョニャ・クエたち。カラフルでとってもかわいいです。
ところでぷるぷるの正体ですが、主にタピオカ粉や米粉やもち米です。それにココナツミルクやヤシ砂糖を使って味つけをし、彩りや香りづけには緑のパンダンリーフや青のバタフライピーなどを使います。
◉ラピス・サグ(Lapis Sagu)
タピオカ粉から作るぷるぷるスイーツの代表選手。ラピスとは層のことで、カラフルなレイヤーが特徴です。一層を固めては次の一層を固め、と手間もかかっています。ういろうに一番近い口あたりかも。
◉タラム・グラ・ムラカ(Talam Gula Melaka)
タラムというのは2層レイヤーのお菓子のこと。上はほとんど甘さを感じないパンダンリーフの層で、下はヤシ砂糖の甘く香ばしい層。口あたりはソフトなぷるぷるで、2層のハーモニーが広がります。
◉タラム・ウビ(Talam Ubi)
ウビとはキャッサバのことで、その根っこから採れるデンプンがタピオカになります。上の層はタピオカ粉とココナツミルクなど、下の層にはタピオカ粉、ヤシ砂糖、擦りおろしたココナツなど。上の白い層が甘くなく、むしろ塩味を感じて、口あたりはムースのようで上品な味わいです。
◉ビンカ・ウビ(Binka Ubi)
キャッサバとココナツミルクを混ぜて焼いたお菓子。甘すぎず、柔らかくてしっとりとした感触。
◉クエ・サラット(Kueh Salat)
上の層はココナツミルク、卵、タピオカ粉に緑のパンダンを混ぜたきめ細かいムース状。下はココナツミルクで炊いたもち米に青いバタフライピーを少し混ぜてあり、しっかりしたココナツ風味。もち米部分はどっしりと、緑の部分は軽やかに。2層の質感が楽しめます。
◉サゴ・ムラカ(Sago Meleka)
タピオカに似たサゴというつぶつぶものを使った3色3層のお菓子。サゴはサゴ椰子の幹から採るデンプンで、このお菓子は青い部分にバタフライピー、茶色い部分にヤシ砂糖のグラ・ムラカを使っています。ココナツの香り豊かな一品。
◉アン・クー・クエ(Anh Ku Kueh)
アン・クー・クエは亀の形をしたもち米のお菓子。台湾や他のアジア諸国でも見かけました。表面には「寿」の文字もあり、おめでたいお菓子とされています。中には緑豆あんを詰め、バナナの葉に乗せて蒸します。
◉オンデ・オンデ(Ondeh-Ondeh)
パンダンリーフのジュースを加えたもち米粉で作った白玉団子サイズの草餅風。。中にはトロリと溶けたヤシ砂糖が詰まっています。すりおろしたココナツをトッピング。一口かじると中から香ばしい黒みつがとろけ出しておいしい。わん吉の好物です。
ニョニャ・クエにはぷるぷるタイプだけでなく焼き菓子や蒸し菓子もあります。シンガポールだけでなく、マレーシアやインドネシアでも出会えるニョニャ・クエたち。ぜひ地元のお菓子店をのぞいて、カラフルなお菓子を見つけてみてくださいね。
わん吉からのお知らせですが、東京にあるベトナム料理レストラン「ピーフォー」さんのウェブサイトで毎月シンガポールの食べ物情報を発信しています。ご覧いただけたらうれしいです。そしてピーフォーさんのベトナム料理はおいしくておすすめです!
今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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