まさか、シンガポールで着物を着るとは
こんにちは。わん吉です。
まさか、シンガポールで着物を着ることになるとは…。5年ぶりに着物を着て、2025年が始まりました。
わん吉はお箏を弾いたりするので、以前は着物を着ることもありました。人前で演奏する時などに。それで着物はひと通り持っています。
2010年に日本を出てから何ヵ国かを移り住んでいますが、引越し荷物にはいつも着物が入っています。たまに着物を着ることもありました。
ベトナム人に浴衣を着せてあげたり、「着物をリアルで着ている人に初めて会った」とタイ人に驚かれたり、着物で箏を弾いたり。
去年の暮れ、シンガポール在住の友人が「着物ランチやってるけど、わん吉も行かない?」と誘ってくれました。
物置の棚の奥にずっと眠っていたわん吉の着物たち。そろそろと出して手に取ってみると「わぉ、手ざわり絹だわぁ、気持ちいい〜、色もきれいだわぁ」と再認識。ひさびさに着たい気持ちになってきて、着物ランチに参加してみることにしました。
最後に着物を着たのは、5年前のタイ人の結婚式。数年ぶりの今回、着付けができるかどうか不安でしたが、今は着物関連のYouTubeもたくさんあるんですね。特に「すなおの着物チャンネル」のすなおさんがかわいくて見入ってしまいました。
YouTubeで着付けのイメージを取り戻して、いざ実装の練習。
背中心をピシッと引っぱって襟をぬいたり、背中のシワを横に寄せたり、帯をキュッと締めたり。襦袢、着物、帯、それぞれを何度かやり直しているうちに、30年前に近所の着物屋のおばちゃんに教えてもらった着付けのあれこれが、だんだんとよみがえってきました。これなら着れそうだ。
お正月明けといえども、シンガポールは夏の気候。夏の前後に着る単衣(ひとえ)という薄手の着物に、締めやすい博多帯を合わせてみました。
着てみると、背筋がピシッと、シャキッとします。
いかに楽ちんに服を着るかということにかまけていた日々とは一転、気持ちが引き締まるではありませんか。
さて、着物ランチのみなさんは、同じ着付け教室の仲間だそう。それぞれに着物を楽しんでいるのが伝わってきて、着物トークも盛り上がり、とても楽しい時間でした。
ランチの後、5〜6人で歩いていたら、中東のご夫婦に呼び止められました。「4月に日本に行くのよ。サクラを見るならどこがいいかしら?」。それぞれがおすすめのお花見スポットを教えて、喜ばれました。
それに、たいてい無愛想なシンガポールの店員さんたちも珍しく笑顔を返してくれたなぁ。
着物を着ていると、いつもと違う交流もあることがわかって、新鮮な気持ちになりました。
家に帰ると「次はどれとどれを合わせて着ようかな」と思っている自分に「およよ?」とびっくり。着物や帯には、素材や色など組み合わせが幾通りもあって、想像力がかき立てられます。
今回着物を着て以来、背筋が自然に整って、なんだか調子がよいのです。それに若い頃よりも自然な肉襦袢もついて、体型的にも着物が着やすくなっている。
今年はちょっと着物を着てみようかな、と思うわん吉なのでした。