誰かの誕生日【詩】
1
彼は今日で46になる
まったくもって恐ろしいことだ
大東京の片隅のさらに外れの正確には東京ですらないのだが
棲家を構えてもう何年になるだろう
どうでもいいことだ、さて
これからどうしようかとは思わない
相変わらずひどい状況には変わらない
変えようとも思わないのだろう
どうでもいいことだ
46という数字に意味はない
意味はないが重い
重いのだ
46
は
2
彼は
これからどうするのか
Spotifyからチャールズ・アイヴズの交響曲第4番が
流れている
ここ最近聴いているのはクラシック音楽とケージやノーノ、
シュトックハウゼンといった現代音楽だ
ケージといえばキノコだ
キノコ
きのこ
茸
キノコになりたい
マッシュルームカットを馬鹿にされた
小学生の頃を思い出す
むかつく
小学生の頃
むかつく
夏やすみ
八月の犬
昔は野犬がようけいた
小学生の頃
中学生の頃
よく絡まれた
吠えられた
あれからずっと
犬は嫌いだ