まめな滞在記 ~「いもこめ」池田百音さん~
みなさんこんにちは、まめなプロジェクトです。
先月まめなで米粉ベーグルと農床野菜のランチ会を主催してくれた池田百音さんが、久比で過ごした時間を言葉にしてくださいました。
久比ならではの農床文化に興味をもち、わざわざ東京からまめなを訪れてくれた百音さんの滞在記を、ぜひお楽しみください!
こんにちは!
「いもこめ」という米粉ベーグル屋を経営している、池田百音(いけだもね)です。
先日、久比で出張イベントをさせていただきました。
普段私は、米粉ベーグルをオンラインショップで販売し、週に2回カフェを間借りしてランチ営業をしています。
その中で、採れたての新鮮な野菜を使って、ベーグルと共に、皆様に味わってもらう、野菜を育てた人、料理を作る人、それぞれの人の存在が感じられるような、そんなひとさらを作る経験がしたいと思い、まめなのスタッフであり大学時代の友人でもある、きりの協力を得て、イベントを企画・実施しました。
滞在中に感じたことやその滞在の様子を振り返りながら、読んでくださる皆様が久比の素敵なところに気付くきっかけになったら嬉しいです。
1月下旬、東京から広島空港に着き、バスを乗り継いで久比へ。
途中でバスにスーツケースを置き忘れるという、アクシデントもありましたが、無事夕方に久比に到着。
スタッフの方に案内してもらい、まめな本部の扉を開けた時、不思議と、以前そこに来たことがあるかのような、懐かしさを感じました。
「こんにちは」が「おかえり」に聴こえてくる、そんな感覚です。
イベントまでの数日間は、近所のおばあちゃんのご自宅に行ったり、夜は小学校の体育館でバレーボールをしたり、地域の方々と過ごす時間を、十分にとりながら過ごしました。
バレーボール終わりに、みんなで並んで歩きながら、他愛ない話をしながら見た月は、本当にあたたかかった。久比の好きなところのひとつです。
地域のおじいちゃんやおばあちゃんは、八朔のジャム持って行き~とプレゼントしてくださったり、寒いからこれ履き!とバレーボールシューズを貸してくれたり。私と初対面なのに、孫のように接してくれます。そして、みんな本当によく笑います。だから、私もつられて笑う。微笑むのではなく、大きく口を開けて、声を出して笑う。
何がそんなに可笑しかったのか、もう忘れてしまったけれど、その表情は鮮明に記憶しています。久比で感じた居心地の良さは、この表情が作り出してくれた気がします。
イベントの前日は、野菜を育てている地域のおばあちゃんたちに会いに行きました。
春菊を使わせていただきたくて、、と話すと、これも持って行き~と、次から次へと野菜を持ってきてくれる。お礼に、米粉のパウンドケーキをお渡ししました。
農床で、あたたかい陽を浴びて、おじいちゃんやおばあちゃんの手で、育ってきた野菜たちを前にして、ぬくもりに溢れた野菜、そのものの味を決して損なわないよう、最小限のスパイスとお塩で仕上げようと決めました。
イベントの当日は、11時半のオープン前から、地域のおばあちゃんおじいちゃんが集まってきてくれました。楽しみにしてくださっていたのだなぁと、そわそわしながらも心は満ちていました。
いただいたお野菜を使って作ったデリやスープ、米粉の焼き菓子はこちら。
蒸したてのベーグルと共に。
ベーグルは、王道のプレーンベーグルや、ビーツとココナッツのベーグル、まいたけと栗を使ったベーグル、甘酒ベーグルなどなど。
もっちもちのベーグルが喉に詰まらないか、心配もありながら、美味しいねぇ、デリの作り方教えてほしいくらい!と言ってくださるお客さん、今度東京に行くから、その時にまたベーグルを買えるかしら?と聞いてくださるお客さん、お客さんがくれた言葉ひとつひとつと、食べてくださっている時のその表情を、しっかり見て、聞いて、覚えておこうと思いながら、キッチンに立ちました。
採れたての野菜を使って、野菜の作り手と料理の作り手、その顔が浮かぶような、その存在に思いを馳せるような、そんなプレートを作ってみたいという思いから企画をしました。
イベント前は、採れたての野菜を、ベーグルと共に、どうお客さんに届けたいか、という私自身の思いに焦点を当てていました。
イベントを振り返り、私からお客様へ、の一方向ではなくて、お客さんの立場だったら、目の前の採れたての野菜をどんなふうに味わいたいか、その視点は不可欠で、野菜を育てることやその過程の思いを知ることが必要だと、これから知りたいことに気付く機会となりました。
「ようこそ、いもこめ」と題した今回のイベント。地域の方々、まめなのスタッフの皆様、本当にお世話になりました。
次は、「おかえり、いもこめ」です。知に貪欲に、パワーアップしたいもこめを魅せます。楽しみにしていてください!