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雨の思い出

一昨日も昨日も今日も雨。今、窓の外は切ない雨の音がしている。

小学生の頃、友達と公園で遊ぶ事が大好きだった。暑くても寒くても、晴れの日もちょっとした雨の日でも遊んでいた記憶がある。

小学校低学年、ある日の放課後。雨が強く降ってるにもかかわらず、友達と何して遊ぶかを相談しながら道を歩いていた。雲が空を覆って仄暗く、もうすぐそこに夜が迫ってきてるかの様だった。友達の声、雨音、そしてそれらに混じるように聞こえてきた小さな声。かわいくか細いその声は、雑木林の中の段ボールの中から聞こえてきていた。そこには雨に濡れて震えている子猫がいた。今は何色の猫だったか覚えていないが、その時の私はその小さな子猫に心を奪われてしまった。

子供心にこの猫を何とかしないといけないと思った私達は、傘もささずに夢中で引き取ってもらえる人がいないか近所の家に尋ねに行った。でも誰にも引き取ってくれなかった。どうしたら良いのかわからぬまま、私の足は自宅に向かっていた。濡れて水が滴った私の姿を見てビックリしている母に、この子猫を家で飼って欲しいと何度もお願いした。動物を飼ってはいけない家だったので、もちろん無理だった。そして、『同じ場所に返してきなさい。捨てた人が悪いの。この子猫の為に一生懸命に行動したあなた達は悪くないから。』と諭され号泣しながら頷いた。

その後、途方にくれた私達は雨に濡れない公園の一角にその猫をおいて泣きながら家に帰った事を覚えている。

今日みたいな雨の日は、そんな事を思い出してしまう。

傘もささずに友達と外を走れたあの頃。雨は嫌いじゃなかった。

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