第一夜
こんな夢を見た。
寝苦しい夜だった。寝つきが悪く、ようやくのことで眠った。ふと、目が覚めると脱衣所の電気が付いている。不思議に思って見ていると、何やらドライヤーの音が聞こえる。ぶつぶつとした声も聞こえてくる。恐怖を覚えて、布団を頭まで被り、壁に身体を向けた。
ふと、音もなく扉が開く。さらさらとした音が響いて、こちらに寄る気配が分かる。見てはいけない。そんな気がした。すると、ピリピリとした感覚が走る。全身が金縛りにあっている。不思議と身体が動かない。肉食動物に捕まる獲物のような惨めな気持ちになった。
私に近寄ってきた影はこういった。
「許さない、許さないから。許さないからな…。許さない、浦飯幽助…。」
目を閉じて素知らぬフリをした。なあんだ、桑原くんだったのか。