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どん底までの序曲~#1
【1997年某日 社長室にて】
社長「ではこのプロジェクトはShinoさんがマネジメントで」
システム部長「よろしくね」
で始まった地獄のような日々へのカウントダウン。
みんな簡単に言っちゃってくれるよなぁ。
【そのあと営業と交わした言葉】
わたし「なんでわたしが見積提示した金額で受注しないんですか(怒」
営業担当「とってきたのはこっちだぞ。感謝しろよ」
わたし「いい加減にしてください。1/5の金額で何ができるのですか。1機能も稼働できませんよ」
営業担当「うるさいな。つべこべ言わずに言われたことをやれ!早くシステムを稼働させろ」と半ギレ状態で話を締めくくった。
受注前夜
さかのぼること28年前
わたしはさる衣料品小売りチェーンの基幹システム刷新について「営業同行」という形で提案活動を頑張っていた。
お客様は結構老舗のユーザー様
ここで案件を受注できればかなりの収益があげられるハズ。。。だった。
だから毎週のように、何なら2日おきくらいにお客様先へ出向いてシステム問題点の洗い出しと改善点についてのヒアリング、それから刷新するシステムのそれぞれの機能について入念に話を詰めていった。
大体のシステム全体像が見えてきたところで各機能個別に見積を積み上げて付帯費用も金額に乗せた。
ここまで長かったなぁ。
当時、会社としては異例の大きな金額となった。
そして受注へ
稟議らしい稟議もないが、システム部長→営業部長→社長へと見積は回覧され、いざ提案となるハズだった。
しかし、どういう料簡で動いていたのかいまだに理解できないのだが、
受注稟議の途中にもかかわらず、ある日営業担当がお客様の言い値で勝手に案件受注してきてしまった。
全くの寝耳に水の話だったが、冒頭に書いたようにトップ会議のなかでその滅茶苦茶な受注案件がスタートしてしまった。
わたしは社長に「これでは何もできません。いったん差戻しをお願いいたします」とかなりしつこく粘ったのだが、幹部連中は目先の金額しか頭になかったようで、私の話なぞ聞く耳持たず話を進めてしまった。
余計な事
わはしは仕方なしにこの案件の要件定義のとりまとめ、設計作業を開始した。
まだ何も形はない。
ドキュメントすら営業活動の時点のプレゼン資料のみだ。
というタイミングで、プロジェクトに協力会社から6名のプログラマを加入させることになったとシステム部長から聞いた。
そんな依頼いつ誰がしたのよ!
すでにプログラマは稼働可能な状態で、お金もチャリンチャリンと課金されてゆく。
開発に必要なドキュメントが一切ないのよ。遊ばせておく気?受注金額から日々お金が削がれていくのよ。
システム部長が独断でやったとは言え、せめて設計のためのシステムエンジニアを入れて欲しかったわ!
そもそも論
件の会社に入社する前は、大手のSI会社に勤めていたわたし。
新人のころから割と大きな案件に携わることが多く、そこでシステム開発のイロハを学んだ。
どうにもこうにも最初はスケジュール&ドキュメントありきなんだよなぁ。そもそも。
システムって口頭で
「こんな感じで、こう動いて、結局こんな結果が得られるのよ 来週くらいまでにね」
と言ったところでエンジニアが即理解をすることは難しく、
せめてスケジュールとペライチの絵でもあれば議論の一助にはなる。
(あ、営業用の提案資料では役不足ね。)
そこからやり取りして徐々にシステムの形になっていったっていいんだ。
(※これはあくまでわたしの考えであって、世の中には多様な合理的システム開発手法はあります)
だから、せめてスケジュールと機能別ペライチを作る時間は欲しかった。
次の章からはさらに泥沼にはまってゆくシステム開発プロジェクトの実情を明らかにしようかと思います。
段々精神を病んでゆく私の行動にもご注目を(笑
ここまでお見苦しくもつたない文章をお読みいただきましてありがとうございました。
現在、精神状態が穏やかなうちに何かを残しておきたかった私の念願です。
感謝を込めて