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「共感」するという看護師のスキル

前回、「共感」することが看護師にはとても必要なスキルということについて書きました。

看護師が持ってはいけない感情|mameko (note.com)


まず、大前提として、看護師が困っている人、苦しんでいる人に対して、「何かをしてあげたい」って思うこと自体は間違ってないです。

ただ、この思いで看護にあたることは、相手思いではなく、関心が自分に向いてしまっていて、自己満足の看護となってしまう可能性があるよ、ってことです。

これから看護師を目指す人も、すでに看護師としてバリバリ働いている方も、

もし、

「奉仕の精神」によって自分の価値や存在意義を見出すような働き方を望んでいるのであれば、

もっというと

自分の価値や存在意義を見出すために看護師という職を選ぶのであれば、

それはちょっと危険だよ、と言いたいです。

実際、看護学生と接していると、みんな本当に優しくて、心がきれいで、純粋に「誰かの役に立ちたい」という思いで看護師を目指しているんだなあ、と感じる一方、

自己肯定感が低い人も多く、

誰かに何かをしてあげられることで認められたい、って思ってる人も(本人はそうとは気づいてない場合あり)、中にはいるんじゃないかなあ、と心配になりました。

この気持ちでいくと、

関心が自分に向いてしまっているので、看護の目的が仕事ができる自分を目指すことになり、

看護の目指す方向も、患者さんの思いとずれてきます。

患者さんからはどんどん気持ちが遠ざかり、うわべだけの看護になり、

目の前のことをこなすだけの看護師になってしまいます。

目の前のことこなすことで精一杯で、それだけでもいいんじゃない?患者さんの話いちいち聞いて共感して、とか無理だから、

って声も聞こえてきそうです。

これが今の看護師の現場。特に病院の看護師はこうなりがちですよね。

多忙で業務をこなすだけになってしまうのは、看護師不足や雑多な業務内容、など環境が悪いっ!

無理!以上!


まあこれもこれでいたしかたないのかもしれません。

看護師はサービス業ではないし、

患者さんも、サービス的なものは求めないでね、っと言いたいところでもありますよね。


じゃあ、看護師ってどんな役割があるの?
看護師って何する人?

ってとこですが、

看護師の関わりが、その人の困難を乗り越えることにつながったら、その人のこの先の人生が豊かになるためのサポートとなったら、素敵じゃないですか。

医療は、どうしても患者さんが下、医師や看護師が上、という構図になってしまいがちです。

医師が言うことが絶対、治療方針も内容も、医師が指示したことに従う、というように。

残念ながら、患者さんの思いを汲み出すことができる医師は少ないなぁ、って感じてしまいます。

そして、本来看護師が医師と患者さんの間に入り、両者のズレを修正しながら向かうべきところを一緒にしなきゃいけないのに、

患者さんの思いを汲み取れない看護師が多いのも事実です。


看護師は患者さんより上、という間違った意識が根付いてると、その看護師の価値観を押し付けることになります。

看護師は押し付けてるなんて意識してないし、
むしろ、相手に良かれと思ってしてることなので、悪気はない。

寄り添う看護

なんてよく言われますが、寄り添うとはなんぞやです。

どれが正解はないです。

師長が言ってること、教員が言ってること、尊敬している先輩が言ってること、実習で看護師から言われたこと、私が言うことも、

それをそのまま看護の正解なんだ、

と落とし込むのではなく、ほんとにそうなのかな、と疑問を持ちながら、自分で考えて実践してみてください。

患者さんに対しても、何が正しい、何が間違っている、のジャッジはしないことがベースかなと思います。

ノンコンプライアンス、ってジャッジしている時、本当に相手のことを見れていますか?

ノンコンプライアンスは、患者さんが治療や看護上の指示に従わない状態を指しますが、

なぜ、その人がそんな行動に至っているのかを考えずして、看護診断にあてはめるだけの看護師になってませんか?

まずは、

相手の目で見て耳で聞いて、相手の思いを共有することです。

そのためには、目の前のことをそのまま受け取るだけではなく、

その人のここに至るまでの過程も見ること

その人の言動や行動の目的は何か掘り下げてまでも考えること、

相手のことを理解したい、という姿勢で

常に相手を尊重し、人として礼節を持って接すること、

これに尽きると思います。

看護をする上で、

こうあるべき!という自分の価値観が入ってしまいがちなのですが、

それは全くもって必要ありません。

その人がどんなことを望んでいるのか、思いを汲み取るスキルは、

いかに相手を知ろうとしているか、観察できているか、です。

相手の思い、もしかしてこういうことなのかな?と自分の中で仮説が出たら、相手に確認していく。

直感、感覚、で物事を判断するのではなく、


しっかり相手と対話していくこと

無理に相手に好かれようとしなくてもいいし、そのための会話も必要ない、と私は個人的に思ってます。

相手のことを、こちらから先により多く信頼し、尊敬する。見返りは求めない(←無意識で求めがち感謝されたいがち)

会話が下手でも、コミュニケーションが得意でなくても大丈夫です。

相手の思いを汲み取ろう、理解しようとする思いは必ず伝わってるし、相手にとって「話しても大丈夫だ」って思える、安心安全な雰囲気になるはずです。



相手の思いに共感し、横の関係で関わることが出来る看護師さんが増えますように。

自分を犠牲にすることなく、適当に息抜きしながら、自分のことを大切にしてくださいね。


応援してます。














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