
クソシェアハウス奮闘記其の九「爆走」
お疲れ様です。豆鉄砲の佐藤です。
今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
今回は、大切なものを失いかけた僕たちの話です。
【登場人物】

🐉闇の取引中

🐙本人に似せて精巧に作られたロボット

🐴意外とじゃんけん強い
🏚️🐉🐙🐴
このクソ家に住んで2カ月くらい、夏の終わりを感じ始めていた頃でした。
この時期、僕とトミサットさんはよく一緒にジョギングをするようになっていました。
元々トミサットさんがよくジョギングに出かけているのは知っていました。
陸上の経験などは特にないらしいのですが、普通に10キロくらい走るそうです。
何でそんなに走るのか聞くと、先祖の声で「走れ」と聞こえるからと言っていました。
血で走っているんだと思います。
ライブでスベった時は、特に速く走っていました。
トミサットさんはたまに、ジョギング中に新たな仲間を連れてくることもあります。

金のヴィーナス像を連れて帰ってきたときの写真です。
骨董品屋の"ご自由にどうぞ"のコーナーでこちらを見ていたから持って帰って来ちゃったらしいです。
拾った後は、これを持ったまま3キロくらい走ったと言っていました。
これを聞いたとき、この人は本気で鍛錬すれば世界を獲れるんじゃないかと思いました。
僕は気がつくと頭から毛が抜け落ちてスキンヘッドになり、髭が生え歯も出っ歯になり、左目に眼帯をつけていました。才能のある若い芽を見つけた時のトレーナーの気持ちがわかりました。
ある日、僕もジョギングに誘ってもらって一緒に走った時がありました。
その才能について行くのはもちろんしんどいのですが、久しぶりのいい汗に身体が喜んでいる感じが気持ちよく、その日から僕もジョギングにハマってしまいました。
それからというもの、僕とトミサットさんはよく一緒に走りました。最初はトミサットさんについて行けなかったのが、だんだんと並走できるようになるのがまた楽しみでもありました。
コモダさんを誘ったことももちろんありますがいつも断られます。
「走るわけないやろ」
とコモダさんは言います。
いや、あなたこそ走ったほうがいいと思ってるから誘っているのに。かなり頑なに断って来ます。
「ウーバーやってるからええねん」
運動しない言い訳にこれをよく使います。
たしかにコモダさんはウーバーイーツのバイトで食い繋いでいて、行くとなると何時間もしています。
ただ、普通にバイクで配達をしているので何の運動にもなっていないことを完全に無視しています。
ですがその後、コモダさんはそうも言ってられない事態になります。
コモダさんはこのとき、病にかかっていました。
亀頭包皮炎というおちんちんの病気です。
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