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ホルモン療法の副作用とエストロゲン①

乳がんのホルモン療法で使われる薬はいくつかありますが、ここではざっくり「エストロゲンを抑制する薬」の副作用として書いていきます。
これらの薬で起きる副作用はたくさんあるので、一つずつ記事にしていきたいと思います。

エストロゲンと聞いた時にこれを思い浮かべる人は多いかなと思います。

①女性らしさをつくる
乳房を発達させたり、女性らしい丸みをおびた体つきをつくる。
月経を起こし、子宮内膜を増殖させ、妊娠するための準備をととのえます。
妊娠・出産にかかわるホルモンなので、エストロゲン分泌のピークは20~30代。ただし、エストロゲンの分泌は小2~3頃から始まっていて、その数年後に初潮がはじまります(個人差があります)。

もちろん、ホルモン抑制剤を使うと、これと逆のことが起きる。
つまり、生理が止まる。
薬の強さと個人差があるので何ともいえないけど、まあ、ほぼ止まる。
(私はタモキシフェンのみを使っていた時、まったくふつうに生理が来ていて、主治医にそのことをいったら「来てるの?!」と驚かれた…。)

①に関連して起きる副作用は、この他に、
・膣の乾燥、または分泌物の増加、膣炎
・無月経
・不正出血
・子宮体がん、子宮内膜がんのリスク増

乳がんで使われるホルモン療法の薬は、がん以外に子宮内膜症や子宮筋腫でも使われます。
低身長の子や、高校生になっても初潮が始まらない子の治療にも使われることがあります。
子供に使われるなら安全なの?と思うのは、あ・まーーーい。
初潮が始まらない高校生の子がリュープリンを使った体験談には、精神的にかなりキツかった、という話が書かれていました。

ここにあげた副作用の中で、おそらく一番早く現れる副作用が「無月経」。
個人差はあれど、それまで毎月きていた定期便が翌月または翌々月から、薬の作用でピタリと止まる。
一生のうちに分泌されるエストロゲンの量はティースプーン1杯。
たったそれだけの量が、生涯何十年にもわたってちびちびちびちび分泌される。

ちょっと思い出してほしい。
第二次成長期を迎えて数年後。だいたい中学生くらい。
その年齢って反抗期真っただ中。
中高生って、今から思うと結構「野生動物」とか「怪獣」じみてなかったですか?
やたらエネルギーが有り余ってて、ぎゃあぎゃあ騒ぐし、人の話聞かねえし。
でも、それってすごく自然なことなんですよ。
その姿しか知らずに、十数年後、20~30代になって再会して、
「え?あの子がこの子?」と思ったことありません?
こんないいお嬢さんに?こんないいご子息に?猫かぶってない?
まあ、多少猫は被ってるかもしれないけど、
ホルモンのなせる業なんです。
おそろしいねえ。

正直「誰だよお前」ってツッコんだことが何度あったか。心の中で。
まあ、それだけホルモンってすごいんだな、とその時感じました。

それを薬で止めるんですよ。
ホルモン大変動がたったひと月の間に起きる。

ヒトの性格って、ホルモンが作る、といわれてます。
そのくらいホルモンの影響って大きい。
それを薬の力で強引に、ひと月の間にとめてしまう。
そりゃ何もないわけないだろう。

エストロゲンのはたらきはこれだけじゃありません。
他にもたくさんあります。
それについてはまた別の機会に。




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