役立たずだと捨てられてしまう。
続きです。
※妊娠を望まれている方にはとても不快な内容が続く予定です。そのような方は読まれないことを強くおすすめします。
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緊急事態宣言が解除され、仕事が再開できることになりました。
相変わらずつわりは続いておりましたが、空腹にならないように何かを食べていれば幾分マシでしたので、これでやっと働ける!と私の気持ちは少しだけ前向きになりました。
…仕事をしていないと、役立たずのような気がする。
家事をちゃんとしても、凝ったごはんを作ってみても満足はできない。
仕事をして、子育てもして、家事もちゃんとしている人が世の中にはたくさんいるんだから、家事しかしていない自分はなまけているのでは?と不安になりました。
主人は私が仕事を再開するにあたって、「俺も家のことやりたいから、まめちゃんのルールを教えて。」と言ってくれ、片付けやお風呂掃除の仕方、収納の場所など、いつの間にか専業主婦のようになっていた私の仕事をちゃんと覚えてくれました。
ごはんも、お惣菜とか買ってお願いだから無理はしないでね、と何度も何度も言ってくれました。
ですが、毎日台所のシンクを磨かないと気が済まないだとか、お風呂を毎日夜に掃除しないとカビが生えそうで嫌だとか、掃除機は毎日かけたいとか、そういう私なりの"自己満足"を主人に押し付けるのは違うかなと思いました。
本来、シンクなんて何日か磨かなくてもカビだらけになどなりません。お風呂も、スプレー洗剤をかけて流すだけでも良いのでしょう。もちろん掃除機だって毎日かけなくたって生きていけます。
ただ、私がそうしたいからしているのだから、最低限のことや、どうしても身体が辛いときは主人にお願いして、自己満足のレベルの部分は自分でちゃんとしようと決めたのでした。
実家から離れたところに引っ越したことで仕事場も遠くなり、通勤時間は実家にいた頃の倍になりました。
朝ごはんを作って、洗濯をし、夜ご飯の下ごしらえをして掃除機をかけて仕事に行く。
電車で死んだように眠り、休憩時間には餌のように急いで胃に物を入れ、妊娠前と同じように働きました。
妊娠したからといって特別扱いされるのは、なんとなく嫌でした。
周りには子どもを諦めた方や、不妊治療をされていると聞いた方もいらっしゃいましたし、私が妊娠していることをよく思わないかもしれない方もいるかもしれない、とも思いました。
妊娠のことは上司にだけ報告しましたが、出来る限り今のまま頑張らせてくださいとお願いしました。
妊娠する前のように、いや、妊娠していることなんか忘れて、ずっと同じように、家のことも今まで通り頑張りたかった。
主人がくつろげる家であるように。充電してまた明日頑張りたくなるように。
私がなまけてしまって何かを主人にお願いして負担を増やすことはしたくないと思っていました。
主人が、「○○しとくよ」とか、「○○しておいたよ」と言ってくれると、自分の配慮が足りていないと思いましたし、段取りよく物事を勧められていない自分に自己嫌悪になりました。
「○○しようか?」という声かけには全て「大丈夫、ありがとう」と返していました。
頑張ればできるから。妊娠したからできないことが増えるのは嫌だ。ただでさえできなくなったことがたくさんある。もう、自分が役立たずだと思うことだけはしたくなかったのです。
主人の役に立ちたかった。
会社のお荷物になりたくなかった。
正直、子どものことなんてどうでもよく、やたら疲れやすいのは子どものせいなんだ、と腹立たしくすらなりました。
子どもさえいなければ、私は気分良く仕事も家事もできたはずなのに。
そんな生活を、たった2週間しただけで、自然に身体は痩せていきました。
主人が休みに入る前、私に向かって静かに怒りました。
「まめちゃんが自分でいろいろしたいのは分かるよ。でも顔に真っ黒なクマ作って、空いた時間はずっとボーッとして、そんなに俺は頼りないかな?」
「もっと自分を大事にしてほしい。何が一番なのかよく考えてほしい。」
主人に頼らないでおこうと思ったわけでは決してありません。ただ、家でゆっくりしてほしかったのです。
私と結婚してよかった。家事もしっかりやる嫁をもらってよかった、と主人に思ってほしかった。
そして、主人の言った、何が一番大事か。
私にとってそれは、私でもお腹の子どもでもありませんでした。
強いて言えば、「見捨てられないためにちゃんとそつなく物事をこなせる自分」が大事で、会社や上司、なにより主人に見捨てられないことか一番大事でした。
"役立たずだと見捨てられる"
小さい頃から自然と思い続けてきたことでした。