124 もう一つの経営責任
私は、いろんな経営者を取材してきた。
オーナー経営者のもとで働いたこともある。
都会でも地方でも大きな会社の場合、経営難に陥っても救済される。地方のテーマパークとかはその代表例。
なくなることはない。
伝統的な銀行の債権放棄手法に加えて、最近は複数の同業大手やファンドが合同で名乗りを上げ、いったん助ける。
条件は「創業家経営者が退く」。
新聞報道やネットニュース(謝礼の関係で文が長い)は、「創業家経営者による放漫経営」や「経営多角化による不採算事業」が原因と断罪する。
まあ、確かに。それは事実なのかもしれない。
取材者の私。
「それだけが原因ではない」。
もう一つの経営責任が存在する。
マスコミには載らない。
経営破たんに突き進んだ創業家経営者のもとで辞めもせず、問題提起を口にすることもなく働き続けていた正社員たちがいる。
おかしいことをおかしいと言わない輩。
「経営が行き詰まった」原因の一端は経営者だけでなく、組織全体にあることは明らか。
特に、社長を補佐する取締役、部長、40代以上の中堅幹部にも『責任』はある。
もちろん、説明責任もある。
一番の犠牲は若手社員か。
輩の逃げ足はあざやかなものだ。