豆本コラム(1)「創刊5周年」
自分の力で生きる人。
なおかつ人も雇える。
まだ食えない人。
過去の経験や人脈を明かして個人事業で頑張るが、この稼ぎだけでは生きれない。
私は②。
50歳のとき、工場夜景が美しい山口県周南市で「徳山駅旅グルメ豆本」を創刊できた。自分の本を持てた。2020年4月のこと。
自分のスキルを注ぎ込める〝作品〟を持てた。
転職を繰り返し、もがき苦しんだ新たな挑戦続きの12年間の末に。
1冊300円。表4(裏表紙)にはISDNコードもついている。
※創刊号は徳山商工会議所の事業で制作したため、1冊200円でした
自分の筆力や取材力はもう上がらないとは悟っていた。
現場をはい回る取材者の能力は40歳手前ぐらいにピークを迎え、例えば、新聞社や雑誌社では、それ以降は後進育成や経営参画となる。
私の場合、自著豆本があるおかげで、今も売れているおかげで、自分を保てる。
グルメ豆本の一番の特徴は高校生や大学生が記者を務め、自ら飲食店取材を行う点。
未来ある若者たちがふるさとの魅力を自ら取材して、手のひらサイズの豆本を通じ、世に情報発信する。
無料配布ではなく、売価をつけて売るところに意義がある。初めての取材に奮闘した若者たちの活動が目に見える形として世に残る。
「まずは10冊作る」
最初に目標を掲げ、豆本のデザイナーやアマチュア写真家の皆様と頑張ってきた。
現在、制作資金集めのクラウドファンディングを終えた「山口市グルメ豆本」は7冊目に当たる。
昨日、神戸三宮の商業施設のショップカタログを見ていたときに、表4の右下隅に70th周年ロゴが入っていた。
「はっ、」となった。
私の豆本はというと、今年で5周年を迎えたことに初めて気づかされた。
これは使える。豆本でもやろう。
即考え、即行動。
ただ、何事も一歩ずつしか進まない。
やをいかん。
分厚い雲間から、徐々だが、〝天使の階段〟の光りが注ぎ込み始めた。
私の視界は良好だ。