226 ナポリタン
わが子は、二郎系ラーメンが好きだし、マックにもよく行くし(スマホ充電も兼ねて)、スタバの新商品にドキドキする。それらを常にインスタグラムにアップする。
初老の私も子どもに付き合い、それらを食べもするが、やはり、本音でいえば、純喫茶のナポリタンを好む。
味覚というのは不思議なもので、都会に長く住んでも、子ども時代のふるさとの味を欲する。
伴侶が同郷ならまだよいが、出身地の味覚の違いというミゾはなかなか埋まらない。
お味噌と醤油がその代表例だ。
いりこ(長崎や福岡だと、あご)や椎茸など、お出汁もそう。故郷の母が子に送る。どんなに年をとっても。
高校生や大学生が記者として参加する自著「グルメ豆本」では、こういった昭和の喫茶店メニューにも光を当てている。紙面で必ず取り上げる。
ナポリタンは郷愁ひかれる逸品だ。
お店によって、味も違う。
令和の子にとって、昭和の食はまさにアドベンチャーなのだ。ナポリタンもそう。
親子でさえ味覚の継承は難しいが、地域の美味いものを我が味覚を頼りに取材し続ける。
美味いものは美味い。
それはいつの時代も同じだと感じる。