「みる」を問う -要約 ビジネスマンのための発見力養成講座/小宮一慶


最近、STAY HOME を利用して、がっつり学習をしています。

アート業界で渉外をしていることあって、学んでいるのは主に、人文学、ビジネス(マーケティング、経営戦略、思考、デザイン)です。大人の学びの世界は広く深く、いくら時間があっても足りません。

最近、知人に美術鑑賞の手ほどきをする機会がふえたので、そちらのほうの勉強もしているなかで「みる」ことについて、より深く多面的に考えたい気持ちが強くなり、サブタイトルにひかれて手に取った本・・・


ビジネスマンのための発見力養成講座 

ーこうすれば、見えないものが見えてくるー /小宮一慶

要約します。

■要点


はじめは、具体例を挙げて普段私たちがどういったものの見方をしているのかの確認からです。筆者の講演でのワークからの抜粋。

・よく使うコンビニの看板、どこまで正確に書けますか?

・いつも何番の改札を通ることが多いですか?

・いつもしている腕時計、はずして見えないところにおいて・・・、どういった姿、文字盤か正確に書けますか?

全て身近な視点からの問いかけですが、なに一つ、ちゃんと答えられない。

ここから得られる示唆は 4点。これを

●見える力の大原則

 としています。

1、気にしているとものは見える

2、思い込みがあるとものは見えない

3、人は、自分に必要なことだけを選んで見ている。

4、人は、本当に必要なことを見ていないことも多い。

 関心のあるものしか見えなくなったり、見えた気になって見落としたり。

あ、お金が欲しい人は「お金は案外道に落ちている」ということを知覚するだけで実際拾える機会が増えるそうです。


じゃあ、どう知覚するか。それが次の2章の

関心→問い→仮説→検証 のステップ

でものが見える。という論点。

こちらも筆者の体験と身近な例から語られています。

・いつもつかう自動ドアのメーカーわかりますか?

 答えはいつも目の前にありました。気にしていると、わかる。気にしていないとわからない。見えていない。

・なんでも鑑定団は、鑑定中に何をしているのか

仮説=基準 をもって見るとよりみえる。その精度が見る力、目利きである。プロはどこをどう見ればいいかの基準(仮説)をもっている。素人でも分解してポイントを明確にするとかなり見えてくる。例えば「黒色の部分」と指定されれば、その黒について、色味、質感、意味合いなど、より考えて見るようになる。

・地価より株式相場より実感的な「私が仮定する経済指標」

ものごとの関連付けをし傾向を仮説として検証する。

「新幹線のグリーン車利用時に隣が空いているかどうか」普段より新幹線を年に100回程利用する筆者は、となりに人がいないと楽だな、というところから、経営の一般論、景気が悪くなると削られる3K(交通、交際、広告)と関連付け観察し、景気(企業の業績)との関連性を感じている。これはテレビCMでも同じことがいえる。

「小金井カントリークラブの会員権相場」地価はオイルマネー→投資信託の影響で実需ではない。株価は政府のテコ入れが入って実感値になりにくいが、会員権は介入する意味がないので、よりリアルな富裕層のお金の勢いを見れる。

・仮説のため観察は「レッテル」に注意。

誤ったポイントに重きを置くことで誤った仮説を導いてしまう。例として、金のロレックスをした社長の会社はもうかっている→業績との関連性はなく、よくみせて誤った思い込みを誘導するレッテルだった。

興味、観察からそもそもこの前提は正しいのだろうか、と先入観を疑う。疑問、不思議に思ったことの理由を考える。仮説にして検証する。これが見える、ということ。

次の章では具体的な 見えてくる の例。


良い会社の見分け方は客様志向があるか、の視点。

会議から収益が発生するのではない。利益の源泉を考えれば、目を向けるべきは、優先すべきは社内よりもお客様。以下、悪い会社の共通点。

・業務上の優先度が低い、床、観葉植物、整理整頓に気がまわっていない。

・社内で顧客を「客」「お客」と呼ぶ人間、場面がある。

・顧客の電話に対し、「担当者は会議中です」と言って出ない。

・受付に電話だけ置いている。まず「アポイントはありますか」と聞く。


「儲かっているか」をみる

・レストランであれば従業員が動き続けているか。

飲食の利益構造は原価+人件費のウエイトが大きい。必死で動いていればコストが活用されているし、それをカバーするだけの売り上げがたっている。

・会社の売り上げを推測する。

場所、会社規模、業界ごとの粗利率は大体決まっているので、一人当たりが年間どれだけ稼いでいるか、従業員数をかければ売上高の見当がつく。

次は

見える力を養う



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?