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新生LACの雛形

こんにちは、Mameです。
今回はハーデン加入後のLACの変化について見ていこうと思います。

もう1か月以上前になりますが、10/31にあのハーデントレードが起き、直後に「ようこそハーデン」という記事を書きましたが、お陰様で10,000弱のアクセスをいただいて、本当にありがたく思うとともに、恐縮しています。

改めて記事を見返すと当たっていることも外れていることもありますが、ハーデン加入後のLACのスタッツ見ながら検証し、LACの変化について考えてみたいと思います。今回はコンパクトにまとめたいと思っていましたが、結果的にまたとても長くなってしまいました(笑)。
それでも良い方、是非読んでみてください。

前回の記事のリンクも置いておきます。


Advanced Stats

まずは基本的なスタッツから。
尚、スタッツの確認に際しては、時系列順に以下の5つの期間に分けて見ていこうと思います。

① 去年のRS(22-23)
② 最初の5戦(Russ+213)
③ 6~10試合目までの5戦(Big4スタメン)
④ 11~15試合目までの5戦(Big3+Mannのスタメン)
⑤ 11~20試合目の10戦(Big3+Mannのスタメン)

※日付で期間指定しており、②~11/2、③11/3~11/15、④11/16~11/26、⑤11/16~12/9です。NBA.statsで"Last 5game"とかで集計すれば楽だった…

先に申し上げておくと、Big3+Mannで最初に戦った5戦(④)は4勝1敗で、スタッツも素晴らしく、スタメンのNET RTGは+24.4なのですが、その次の5戦(3勝2敗)でDEN2回、GSW2回、SACと西の強豪が連続しており、その上で記録したスタッツは上振れではなく今後も継続する可能性が高く、現実的な立ち位置を把握する為に⑤は10試合のサンプルサイズを取った次第です。

では、見ていきます。

新生スタメン結成後のLACの現在地は、OFF RTG17位、DEF RTG3位、NET RTG5位です。

…いやまずは本当に良かった!!!(涙)

ハーデンの加入は絶対にプラスになると強く信じてはいたものの、加入直後にBig4が5連敗し、各スターの遠慮がちで不安定なプレー、シュートスランプ、ハーデン自身がキャンプ未参加の影響かまだ動きが硬そうにも見えたこともあって、チームの練度を上げるにはもう少し時間がかかるような気がしましたが、トレード後15試合でこの位置までたどり着けたことに本当に安心しました。

今のチームを支えているのは、強固なディフェンスと、ミスの少ないオフェンスです。

前回、ニコロコを放出してもマンがスタメンならディフェンスは落ちないと書きましたが、実際はノームが時々クロージングラインナップに加わっている現状で、それでいて以前より強固になっているというのは期待を超える結果でした。

また、セカンドのディフェンスはプラムリーを変えないと変わらないとも書きましたが、彼が怪我で長期離脱を迎えるという不幸の後、INDからタイスをミニマム(バイアウト)で獲得できたことが、LACを大きく変えてくれました。本当にありがとう、タイス。

オフェンスでのTOの激減は、わかりやすくハーデンシステムの影響ですが、チームのシュート効率はいまいち上がりきらない中でも、TOからの得点を抑えることにより、巡り巡ってディフェンスの強化に繋がっています。

リバウンドに関してはRankが下がっているように見えますが、数値自体は大きく変わっておらず、大きな問題にはなっていません。

唯一EFG%だけは低下が目立ちますが、マンや出始めたばかりのコビブラが調子を上げれば、もう10試合程度で解決してくれると思います。

何れのAdvanced Statsもこの後深堀しますが、まずは大きな欠点はなく、攻守でしっかりと武器を持てたことを喜んでおこうと思います。


Tracking Stats

次に、Tracking Statsを見ていきます。
テンポよくいきます。


Drives

ハンドラーにハーデンが加わったことで回数自体が増加しましたし(ハーデンのDrive Assistはリーグトップクラス)、少なくともジョージはクローズアウトシチュエーションでカウンタードライブをする機会が増えたように見えました。

とはいえ、ハンドラーを囲む選手たちがクローズアウトシチュエーションでそこまでドライブを多用しない(C&Sか、ややボールを止める)選手が多いLACでは、今後大きな変化は見られないかと思います。



Passing

先程AST/TOが大幅な改善をしたと述べましたが、実はPASS成功数はリーグ最下位、Potential ASTは28位、Secondary ASTも29位とかなり低いです。
パススタッツはGSWやBOS等が高く、一方でMILやLALなど強力な個を中心に攻めるチームは低い傾向にあり、LACもそのタイプです。ASTが多くPASSが多いチームは、素晴らしいシュートをクリエイト出来る期待値が高い一方、その分だけTOが増加する可能性も高いため、一概にどちらが良いとはいえません。

LACはBig3のオフェンスから一発のキックアウトでC&Sを打ち切ることが基本であり、打てなければ再度Big3にボールを返し攻め直すというスタイルで、ASTの数自体もリーグ17位と決して高くありません。
即ち、PASSもASTも少ないながら、実数としてのTOVが非常に少ない事実がAST/TOVをリーグ6位に押し上げており、TOVはその実数が逆速攻や失点に直結することから、このTOVの少なさは非常にポジティブに捉えられるということです。

ちなみに、ASTの低さはシュート効率の悪さゆえの部分もあるので、もう少し改善すると思います。Pull upとC&Sの数値は以下の通りで、特に言うこともありませんが、シュートもう少し決めてね!とだけ言い残しておきます。

ちなみに、今後もラスとタイスが3Pを打つことになり、さすがに40%シューターで固めてリーグ2位だった前期の数値には収束しないと思いますが、時にはシュートを打ち切ることが大切だと思いますので、2人のC&Sが数本ずつあることに違和感はありません。OFが一区切りしたのに打たずTOしてしまえば得点期待値はゼロですので、打つこと自体が大事な時もあると思います。
今季のラスのSpot upの期待値はEFG44.4%ですが、今期波のあるジョージ兄さんも50.0%です。ちなみにノームは72.9%で、平均3回以上打つ選手ではリーグ5位です、流石だよノーム。

マンとコビブラは、シンプルな3P%で今それぞれ20.0%、27.8%ですが、それぞれ40%、37%くらいを求めたくなっちゃいます。頑張れ!


Touches

パスの次は、その起点を見ていきます。
パスが少ないのでタッチ数が少ないのは当然ですが、ペイント・エルボーでのタッチ数はリーグトップクラスです。

去年まで、オフェンスが停滞する時のLACは決まって3Pライン沿いでパスを回しあい、時間がなくなり外角から工夫のないシュートを打つ流れがあり、昨年のPaint Touchはリーグ23位と低迷していましたが、今期は大幅に改善しています。

新生スタメンもその前のスタメンもPaint Touchは多いですが、その背景は別物です。

1~10試合目では、ラスとの融合の中で、例えばハイポから逆ハイポへ、ローからローへと、パサーであるラスがDFに離されない位置までリムに近づいてオフェンスを展開し、そのセットはハーデン加入後もハーデンが同様のプレーすることで継続しておりました。ペイント付近且つ距離が近いパスはTOに繋がりやすく、AST/TOが22-29位だったのはこの影響もあったかと思います。スペーシングが良くなかったです。

11~20試合目では、上記のセットは基本的にはなくなり、パサーであるハーデンは3Pラインの外からエントリーします。カワイのスペーシングの話は前回もしましたが、タイルーがこのセットを早々に辞めたことは個人的には好印象でした。
ハーデンのエントリーはこちらのClipもご参考まで。長年のLACの悩みが解消されています、素晴らしいパス精度。

つまり、1-10試合目も11-20試合目もPaint Touchは多いながら、Drive数は42-44回程度から47-48回程度に上昇しており、今はドライブでペイントに侵入することやカッティング等によりTouchを増やしているということかと思います。

Blitz対応も含めて、ハンドラーである213がペイントまでたどり着けなかったり、ズバにつなげなかったことを考えると、このPaint Touchの増加はLACにとって非常に好意的な結果であると思います。

ちなみに、ペイントに侵入した後に何をしているかというのが、次のスタッツです。

Paint Touches

1-10試合目ではペイントは「パスの起点」であり、PASS%やAST%が非常に高い一方、11-20試合目では「ドライブの終着点」であり、主にシュートに繋がっていて、ペイントでのファール獲得数:2.5回は、実はリーグ1位です!LACファンなら信じられない結果ですよね。

これがオフェンスを下支えするはず、ですが、フリースローがあまりに入っておらず、居残りシュート練待ったなしの状況です。。。
でも、これも今後10試合で改善すると信じています。

参考まで、距離別のFGAスタッツも載せておきます。ミドルを打ちまくる213がいる限り、5-19ftのシュートも減ることはないと思いますが、リム付近のシュートは増加している点が素晴らしく、これからも増やしてほしいです。


Defensive Impact + DFの変化

DF関連スタッツも少し見てみます。
上記は、リム付近(5feet以下の距離)でLACの選手がディフェンスをしている際の相手選手のFGの状況を表したものです。

今季の強固なディフェンスは、リム付近のDFが素晴らしいことに起因しています。

この背景に何があるかというと、1つは多くの方が仰っている、213がオフェンス負担の減少に伴い、ディフェンスに注力できるようになったことがあると思います。UTA戦ではカワイが41得点を取る傍らで影が薄かったジョージですが、しっかりと6スティールをかましており、OFで控えめならDFに注力するのは良い流れです。
今年、カワイとタイルーは「TOP5デイフェンスを目指す」と宣言しており、またカワイが「ディフェンスがチャンピオンシップをもたらす」とも話しています。

チームDFについては後述しますが、カワイはオンボールだけでなく、タグを含むオフボールディフェンスも今季ハードにこなしている気がします(もともとさぼるような選手ではないですが)。
基本的に相手のエースハンドラーを、1Q はマンがマークし、4Qはカワイがマークしており、終盤のカワイのハンドラーへの圧は凄まじいものがあります。DEN戦のクラッチタイム、去年どのチームも止めるすべがないように思えたヨキッチ&マレーのP&Rで、ゴール下までドライブしたマレーがTOPのヨキッチに投げようとしたパスが逸れて、ハーデンの元にボールが転がり込み速攻に繋がりましたが、それを見て「やっぱりカワイの圧ってすごい」と改めて思いました。

あと脱線しますが、結局マンは今季SG起用されている印象ですね、DEN戦もゴードンには最初カワイがついていました。カワイが4番になろうがハーデン獲得によるOF負担減少の方が大きく、トレード時に懸念されていた「ジョージが3番でカワイが4番は厳しくない?」という意見も、気づけば聞かなくなったように思います。
私は、OFでサイズのミスマッチをつくために213がそれぞれ2番と3番になることは重要だと思っていましたが、DFでは4番がクリエーターのチームは少ないため、DFでそれぞれが3番4番になることはそこまで負担増につながらないと思っています。

話を戻しますが、リムDFを強固にしているもう1つの背景は、というかこちらが本命じゃないかと個人的に思っていますが、ズバッツのDFです。

まず第一に、リーグのリムプロでは、現在ズバッツがリーグ1位です
従前より、ショットコンテスト数やら何やらDF系のスタッツではリーグTOP10に入り続けているズバッツですが、猛者たちを抑えてとうとう1位を記録するに至りました。ついに、ついに、、、凄いよズバッツ!

大きく変わったことは、今季ズバッツはDeep Dropを辞めて、よりハンドラーに圧をかけるDropに代わっているように思います。「思います」と書いたのは、これを立証しようと去年の試合を見返したりしているのですが、まだ確信を得るに至っていません。この辺りは、今後見ていく中でXでスレッドにまとめれたらいいなと思っています。分かる人いたら是非教えてください。

今季ズバッツは、キャンプで「Dropで下がりすぎるな」とカワイから指摘されていました。今季のズバッツのドロップは、基本的にペイントに入る前にハンドラーを捕まえ、そしてハンドラーに完全に正対しているように思います。つまり、2人を効率よく守るというよりは、まずはハンドラーを潰すディフェンスにシフトしている気がします。

走りこんでくるロールマンには、逆サイドの0度の選手がタグで守り、その後45度の選手とエックスアウトのローテーションをします。この流れ自体は、確認する限り去年もやっていました。

今季のズバッツは、ハンドラーに自由を与えず、例えば楽なフローターも打たせないこと等を重視していますが、結果として、①ロールマンを多少自由にする、②2対2で完結せずXアウトまでする機会が増えローテーションが大変になる、というリスクは抱えていると思います。

スタメンが大量欠場したDEN戦で、DAJに驚くほどダンクをぶち込まれたのは①が原因と思われ、例えばノームがタグをしたとても、DAJの飛び込みを抑えられるわけがありません。現状、このタグを能力的に完遂できるのはカワイくらいなのかな、という感じがします。次点でジョージです。
ヨキッチやサボニス、シェングンに代表される技巧派スタメンセンターの台頭により①のリスク自体は減少していると思われますが、やばそうなチームとしてADが飛び込むLAL、ヤニスが飛び込むMIL、エンビのPHIなどがありますので、これをどの程度守れるのかは注目しています。
ただ、これを踏まえてもズバッツがリムDFでリーグ1位になれており、これまたDEN戦のクラッチタイムにヨキッチをブロックしたように、ハンドラーに正対した状態からロールマンをカバーする実力を身に着け始めています。

また、この①②のリスクをミニマイズするためには、それこそハンドラーに正確なパスを出させないようプレッシャーをかける必要があり、それをクラッチタイムで遂行できたのがフルメンのDEN戦だったと思います(逆にレジーなんで出来んねん!)。4Qではカワイがハンドラーにつくことで、ズバと連携しハンドラーへの圧力を高められていました。

また蛇足ですが、DEN戦の前半、ズバッツよりタイスの方がヨキッチを守れているようにも見えましたが、これも上述のディフェンススタイルに起因するものかなと思っています。ハンドラーを守ることを重視するズバと、普通のDropかZoneでセンターを守るタイス、これは相手に超絶ハンドラーが必ずいるスタメンと、必ずしもそうでないセカンドでの守り方の違いもあると思います。

以上のような、よりペイント内を締め上げる(佐々木クリスさん風)ディフェンスにより、LACのディフェンスはワンランク上のものになりました。

前回の記事で私は、ズバッツをコートに残し、スモールボールを卒業してほしいと願っていましたが、最近はクラッチでもズバッツの活躍が目立っており、強固なDFを維持しています。そして、オフェンスでもハーデンの操縦により効率的なイージーバスケを叩きこんでいます。

新生スタメンは、12/10時点でOFF RTG124、DEF RTG103.3で共にリーグ1位であり(マジで!?)、圧巻です。
また、今季クラッチで多用されているスタメン+ノームの組合せも、まだサンプルサイズは少ないながら非常に強力はDFスタッツ(DEF RTG 85.7)を残しています。これらを踏まえても、213+ズバッツで、相手の攻撃の起点であるP&Rを止められていることがDFを大きく改善したと思われます。

ニコロコを放出したLACですが、213+ズバッツがいれば最高クラスのディフェンスを保てることはこの数年間証明し続けており、その信頼もハーデン獲得を後押ししたのかもしれません。

強固なペイントDFに、上述のTOVの減少で毎ポゼッションしっかりとハーフコートDFを敷けていることが重なり、リーグトップクラスのディフェンスを実現できていると思います。

余談ですが、今季のP&P対策は以下にまとめていますので、良ければ是非。



Speed & Distance

DFに関連して、クリッパーズの攻守のペース関連指標も見ておきます。以下は攻守の移動距離を表しています。

表の通り、LACはリーグで最も攻守で動きがないチームです。
OFは、LALやDALなどのスーパースターが攻めて他の選手がコーナー待機をするチームでは低くなる傾向であり、LACもそのタイプです。
そして注目すべきはDFの方で、LACはDFで最も動かないチームですが、最も動く上位チームにはSACやIND、ATLなど、DFスタッツのあまりよくないチームが並びます。

圧倒的なリムプロのいるチームや、鈍足タイプのセンターを抱えるチーム、ペイントを締め上げるチームは、センターをペイントから移動させないことに注力する為、基本的にこのDIST MILES DEFが低い傾向であり、これが低いのはDEN、LALなどディフェンスの良いチームが多いです。

先程のズバッツのDFの変化で、「②ローテが増えて大変かも」と書きましたが、現時点ではズバをリム付近にとどめ、最小限のローテで相手オフェンスを抑えている様子がこのスタッツから伺えます。ズバッツという最高のリムプロテクターがいる限り、あまり動かずに守れることは非常に重要です。

オフェンスに関しては、もうペースは気にしないとタイルーは発言しており、私も今のままでいいと思います。ミスが少なく、効率的なオフェンスが出来ることの方が重要です。
また後述しますが、あくまで試合を通しての移動距離が短い・ワンポゼが長いことを表すスタッツで、Transition数は改善しているので、問題ないと思います。


Rebound

最後に、リバウンドに触れます。

オフェンスリバウンドは今季大きく改善しています。
これにはラスが貢献しており、コンスタントにリバウンドを獲得してくれています。
OFリバウンドが一番少ないチームはDALですが、スターがハンドルし、その他の選手がコーナー待機するチームの場合には低い傾向にあり、同じタイプのLACがそれでも上位なのは素晴らしいと思います。ハーデン獲得で213がコーナー待機する時間帯が増え、特にカワイがオフェンスリバウンドに絡む機会が増えたのも影響していると思います。


ディフェンスリバウンドは素晴らしいです。相手にリムへの収入を許さないことから、Contestせずともリバウンドをとれていることがわかります。
当然、リーグ7位のズバッツのコンテストリバウンド力は侮れませんが。



Playtupe Stats

ここまでTrackingスタッツを漁り、ディフェンスの話が長くなりましたが、どんなオフェンスをしているか、Playtypeスタッツも見てみます。

こちらのスタッツは期間の始点を指定して集計できないので、
①22-23RS、②1-5戦、③1-10戦、④1-15戦、⑤1-20戦、という期間で集計しています。なので、こつこつ5試合ごとにメモっていました(涙)。もしできるなら教えてください。

スタッツは全期間で荷重平均されたものになります。④や⑤で大きく改善している場合、その直前の5試合が相当変化してことを表しています。
では見ていきます。


Spot UP

決めようね!という話なのですが、驚くべきは、リーグ27位のシュート効率を叩き出しながら、ネットレーティングがリーグ5位ということです。
そしてLACは元来シュートが得意なチームのはずです。
このチームはまだ伸び代がありますよ!


P&R Handler

リーグ1位来たー!
ただこれはやや上振れです。ハーデン獲得前のスタッツが、再建チームを相手に無双したことが上振れていると前回述べましたが、その主な要因はジョージの個人技がやばすぎて誰も止めれなかったことです(10月までハンドラーで圧倒的リーグ1位)。このままとジョージがドンチッチの1.5倍凄いハンドラーということになってしまいます()

ただこれを考慮しても現状でも4位なのはハーデン効果であり、大崩れせずTOP10を堅持してくれる気がしています。


P&R Rollman

そして来ました、ロールマン。
少しずつですが、POSSが増加傾向です。もともとズバッツのロールマンとしてのEFG%は高い訳ですから、今後も微増することを期待します。ズバッツ個人のスタッツは以下です。

EFG%が凄いです。
前回の記事で、イージーバスケがLACの重たいオフェンスを改善してくれると述べましたが、ここ10試合のクラッチタイムでズバッツのダンクが何度も見れたことは、本当に理想通りで嬉しく思っています。


Isolation

相変わらず多いアイソレーション。これはもうチームのスタイルなのは言わずもがな。もう少しEFG%が上がるといいですが。アイソ以外の選択肢がないことや、アイソする際のスペースがないことが以前の問題だったわけで、アイソが多いこと自体はそこまで問題にはならないと思います。UTA戦のカワイを見たら、アイソするなという人は誰もいないでしょう!

カワイのスタッツも一部載せておきます。ハーデン加入でスペーシングが改善し、EFG%は徐々に改善しています(多分、ここ数試合は60%で決めています)。


Transition

DIST.MILESのスタッツで触れましたが、実はハーデン加入後の方がTransitionは増えています(!!!)。ハーデンも213同様、ハーフオフェンスの代表のような選手ですが、堅牢なディフェンスを維持できれば速攻のチャンスは減りません。個人的にチームコンセプトに「堅守速攻」を掲げることは好きではありません、堅守をすれば速攻がついてきます。今のLACは、ペースは遅いけど、強固なDFで相手のミスを誘うことで速攻を出せており、今後も継続してくれればうれしいです。

EFG%が低すぎ?
まぁジョージの1人速攻とか見ててめっちゃ不安になるもんね。笑


Cut

最後にCutですが、こちらもあまり減っていません(15戦はスタッツ取り忘れました)。ハーデンから、トップロックされた213に裏パスを出すシーンは今季多く見られ、効率的なオフェンスに繋がっています。
継続してくれたら嬉しいですね。


その他注目Stats

その他、個人的に気になったStatsです。
ここでは主に213を主語にして、ハーデン加入でどう変わったのか見ていきます。

Usage

ハーデン加入後にボールが足りないと言われていましたが、現在のUsage配分は非常に健全な気がします。213が25%ずつ、ハーデンが20%を切る水準です。

ちなみに今のところ最もシュートを放っているのはジョージですが、スターの中で最もC&Sが出来るので、これもまたあるべき姿かなと思います。


Shot Dashbord

次にシュートの中身です。

まずはカワイ。ややドリブル回数が減少傾向にありますが、ポストに入りダブルチームを受けなければ無双できる彼なので、ドリブル数はそこまで関係ない気もします。7回以上のドリブルが減少したのは、主にハーデンが来たことで彼がボール運びをすることがほぼなくなったからかと思います。

一方のジョージ。
彼の変化は大きく、ドリブル数は大幅に減少しています。結果的に、彼の当初10試合のTOVは平均3.0回でしたが、その後の11試合では1.7回と大幅に減少しています。ハーデンがハンドラーを担うことで、ジョージの負担が減ったことはチームに大きなプラスをもたらしています。


Closest Defender

ショットの質を、違う角度から見てみます。
以下は、ディフェンスとの距離別のFGA数とそのEFG%をまとめたものです。

オープンになっているかというと、カワイはこれまた大きな変化はありません。どちらかと言えばTightショットが増えています。
カワイは元々、スペースがありミスマッチがつければ、目の前にディフェンスがいようと関係ありません。

それよりも、ラス加入当時はラスのローポ待機含め、全員がエンドラインに行くセット等でカワイのスペースを作ろうとしていましたが、結果的にダブルチームされる機会も多く、またカワイのワンパスアウェイの距離にシューターを置かないことで、カワイからのキックアウトが望めませんでしたが、ハーデン加入後はこれも従前の形(シューターがカワイのすぐそばにいる)に戻っており、カワイがTightかどうかより重要な点が改善されていると思います。
ノームかハーデンかジョージを捨ててダブルチーム?
そんな自傷行為はどこもしてこないでしょう。



さて、一方のジョージ。

ワイドオープンのショットが大きく増えており、そしてそのEFG%は素晴らしいです。これもまた、ハーデンがハンドルし、ジョージがC&Sを打つシチュエーションが増えた為です。

UTA戦ではカワイが41得点と存在感を発揮する一方で、ジョージのリムアタックは少なめ。それだとOFが物足りないのが昨季までのLACでしたが、UTA戦のジョージは結果だけ見れば20得点、FG 8/13(61.5%)、3P 2/5(40%)、6STLで1TOVと非常に効率的です。今の213は得点の為に自らクリエイトの負担を負わなくてもよく、そしてハーデンからのキックアウトは超オープンな質の良いシュートに繋がっていることがわかります。


FGM%AST

最後にもう1つ、違う角度からショットの質を確認します。
このスタッツは、FGに占めるアシストされた割合を示します。従って、
FGM%AST + FGM% UnAST = 100%、となります。

これは凄い変化だ!

昨シーズン、213は6割のショットを自らクリエイトしていましたが、今は6割のショットをアシストしてもらえています。
特にジョージは、LACに来てからの5シーズン全体で見ても、1年目48.1%、2年目42.9%、3年目31.0%であり、6割越えの今期は圧倒的に高い水準です。これぞハーデン効果と言えるでしょう。

またC&Sがリーグトップクラスのノームが、もはや驚異の固定砲台と化しています。これだけシュートできる機会があるのなら、彼をクラッチの場面で使いたくなるのも分かります。カワイにダブルチーム行けないしね。

とにかく、カワイもジョージも今までよりも簡単なショットを放てており、これこそまさにハーデンがオフェンスを簡単にしてくれている、ということだと思います。

もう1歩踏み込んで、このショットの内容を、3PTと2PTに分けて観察すると以下の通りです。

おお~すごい!
まず3PTに関して、カワイは元からステップバック3などのアシストなしでの3PTはそこまで多くないので大きな変化はありませんが、ジョージの変化は顕著です。今や7割以上がアシストされており、Pullupも相応に多いはずなのにこの数値は驚異的です。

そして2PTに関しても、すべての数字が大きく向上しています。これは、カッティングなどのイージーバスケの増加によるものが多く、また正確なエントリーパスからすぐさまショットを打ちアシストに換算されているものも多いと思われます。

そしてハーデン自身も、213のアシストを受け、3PTのアシスト率は非常に高水準であり、主に2PTにおいてアシストを供給する側だということがわかります。

つまり、3人がお互いに質の高いショットを供給しあう好循環が生まれており、これが新生LACのオフェンスです。
そして冒頭記載の通り、LACのC&Sの確率は今かなり悪い状態です。これが少しでも改善すれば、今リーグ17-20位のDFF RTGは、10-15位まですぐに改善できるでしょう。オフェンスの形は悪くないんです。

ちなみに、放出されたニコロコは、FGM%ASTがそれぞれ90.6%、87.3%とチームトップ1・2であり、「213は供給する側」であったのが去年までのLACでした。

ハーデンの加入で、確実にLACは攻め手が増えました。
昨年まで我々は相手のOFを止めるためにスモールボールを選択し、アジャストする側のチームでした。今のBig3のOFに、DFで十分なエースストッパーを配置し、完全な回答を持てるチームは多くありません。

今季こそ、我々は最高のスタメンで正面からぶつかり、相手をアジャスト側に回す番です!


その他の変化

最後におまけですが、スタッツ以外にも、ここ15試合でLACは大きく変わりました。

ツイートにはないですが、スペーシング・セットオフェンスの在り方も色々と変わったのは、これまで記載の通りです。

タッカーの衰えが大きく、DNPになるとは正直予想外でしたが、PF放出の穴はカワイとコビブラが埋めてくれています。

また、おそらくプラムリーが怪我から戻った後もタイスがローテ入りし続けると思われます(彼は2か月の離脱と言われていたので、1/10頃に復帰イメージです)。
私は度々プラムリーのDFあかん!と言ってきましたが、そもそもプラムリーは、Blitz対応のためのショートロール後のパサーとして優秀だった点や、課題のリバウンド向上の為にOFリバウンドはリーグ有数であったことから獲得された経緯であり、当時はノームとプラムリーの横はニコロコなどOFで仕事の少ない選手を並べていたからDFタイプでないプラムリーを獲得したこと自体は間違っていなかったと思いますが、今はラスがセカンドに加わり、その前にはボーンズが台頭していたことから、センターにはDFを求めたいチーム事情が出来てしまったわけで、彼は少し不運だったとは思っています。ちなみにタイスはショートロールのパサーとしても優秀ですし、オフェンスリバウンドはセンターがやらずともラスが担保してくれてと、本当に色々重なってしまいました。

今の9人ローテはしばらく固定されそうです。
また、ラスとハーデンのPTは完全に分ける方向性なので、ラスのPTは今後減少していく可能性が高いです。

ローテ外にボーンズ、タッカー、プラムリーがいて、それぞれのポジション毎に3番手選手がいることは安心材料です。
TDLで何がトレードを起こす時にアセットにはなりえますが、それはまたしばらく先になったら考察したいと思います。


終わりに

ここまでLACの変化について記載してきましたが、思い返せばハーデントレード直後、特に5連敗中、様々なマイナス意見がありました。
スターに目がくらんだトレードは標的にされやすく、それがいくらチームにとって適切な補強であったとしても、これほど燃えるのだなと思いました。

ハーデン批判はもちろん、フロント批判も多く、タイルーは獲得したくなかったのにフロントがスターに目が眩んだといった話まで出ていました。もう何年も「Traditional PG 欲しい」と言っていたのはタイルーなのに。

フランク社長は「2-3か月後に別チームになっている」と言っていましたが、結果的に1か月ちょっとで実現することができました。
タイルーも連敗中自信をのぞかせていました。信じていたぜ!

これ以上は割愛しますが、とにかく良い結果に結びついて本当に良かったです。

今季、LACはリーグで最も移動距離が長く、唯一の5万マイル超えで、非常に厳しいスケジュールとなります。今季は213が初めて13試合以上連続出場しており(去年までが少なすぎるのだけど)、今もなお健康を保っていて、まずはそれが成功の第一の理由です。

213が揃えば強い。それはわかっています。そして今季、弱点を補った。

今後も彼らの健康が継続することを強く祈りつつ、新生LACが円熟していく過程を楽しんでいきたいと思います。

引き続き一緒に応援しましょう!
結局13,000字を超えましたが、ここまで読んでい頂いた方、本当にありがとうございました!!!
次は40試合経過頃にお会いしましょう!

Mame

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