キャリアデザインの考え方・作り方|人生100年時代を生き抜くキャリアマネジメントVol.2
どうも、まんぶです。
今回は、前編として公開した「今、キャリアデザインが必要な理由」の後編です。このnoteからご覧いただいた方は、ぜひ前編もご覧ください!
再掲にはなりますが、今回は、以下のような流れでまとめています。
Vol.1|キャリア設計が必要な理由
└ キャリア設計とは
└ 必要となった背景
Vol.2|キャリア設計の考え方・作り方
└ 具体的な描き方、ポイント
└ 設計時の落とし穴
※ Careertrackではキャリアデザインを「キャリア設計」と呼ぶため、ここからはキャリアデザインではなくキャリア設計と記載します。
具体的な描き方、ポイント
ここでは、Careertrackとしてサービスに落とし込んだ設計方法「5つのステップ」と「キャリア設計シート」についてご紹介しながら、キャリア設計の具体的な書き方やポイントについてまとめます。
Careertrackでは、質問に答えるだけで下記のようなキャリア設計が出来上がるイメージです。
キャリア設計の期間は、10年としています。
10年後の未来から逆算して◯年後の通過点を設計するようにしています。また、あえて年収から考えるようにしました。これは引退後の生活まで意識すること、そのために必要な資産をどう蓄積するかという考えを持ちやすくするためです。
「やりたいことは何ですか?」と問われても答えられない人の方が多いこともリサーチをしてわかってきたため、やりたいことからではなく、収入を起点にすることで目指す収入を得られる仕事にはどんなものがあるかと選択肢を絞ったり、考えたりしやすくすることを狙っています。さらに、仕事を得るために必要な能力を洗い出して、その差分を埋めていくためのストーリーを決めるといった順で作成をしていきます。
キャリア設計に正解はありませんが、ビジョンを決めて、そこから逆算した道のりを描いていくというのが基本的な描き方となることは間違いありません。
次に、キャリア設計を進める上で重要な考え方を図にします。
タテは具体/抽象度、ヨコは時間軸です。
物事を考えるときに、知っていることや経験してきたことは想像がしやすく、具体的に書くことができます。一方で、未来の話で不確定要素が多いことについては具体的にならない、できないことも多いですよね。キャリア設計をする際には、現在から未来の話まで全てを具体的に書く必要はありません!図にあるように未来になるほど、抽象度が高くなるというのが自然です。
無理に具体的にしようとせず、逆に抽象度を高めることで変化に対応する幅を持つのもひとつの方法と考えてください。
これをCareertrackでおこなうキャリア設計のビジュアルに直すと下記のようになります。
人生を山登りのようなイメージで、10年後の目的地に(その先にあるライフビジョンをイメージしながら)旗を立てて、そこまでの道のりと中間の到達地点を設計します。
ここからは上記のイメージ図に合わせてSTEPについて紹介します。
STEP1|□|現状をまとめる
はじめに現在地を整理します。
どんな未来に向かうにしても、現状を把握しなければ歩み出すことはできません。まず整理する情報としては、現在の年収・仕事内容・経験した業務や出した実績、取得した資格、強みとなる知識やスキルです。あまり細かくしすぎると現状をまとめることに時間を割き過ぎてしまうので、概要や箇条書き程度で洗い出しましょう。
※同じ項目を未来についても考えていきます。
STEP2|◇|ライフビジョンを考える
キャリア=人生と捉えて、どんな人生を歩みたいのかを言語化します。
仕事だけではなくて人生についても考え、やりたいことや欲しいものなどの実現したい状態を整理していくと、働く理由やキャリアを形成する理由ができてモチベーションの源泉となってくれます。そこからさらに現実的に必要なお金について大まかに考えていきます。どれくらいの年収があれば実現できそうなのか、またはどれくらいの蓄えがあればいいのか。一度で全てを出し切ることはできませんが、これを継続的にしていくことが「働く理由」をつくる大事な時間です。
STEP3|▷|キャリアビジョンを立てる
10年後の姿についてイメージを膨らませます。もちろんもっと先まで描いてもらってもOK!
10年としたのは、10年もあればたいていのことは実現できるのではないかという考えと、定期的に見直す上で十分抽象度が高い状態になると考えたからです。STEP2で考えたライフビジョンを実現するために必要なお金を計算して、それらを手にしたり、実現したりする収入や仕事を目標として立ててみます。少し先の話なので、もちろん途中で変わることもありますし、現時点では具体的でない場合もあります。そうした場合には「大企業の役員」でも、「起業して100名くらいの会社社長」でも、今できる範囲での言語化をすることです。
STEP4|◯|マイルストーンを決める
10年後の目的地へ到達するための通過点を決めます。目的地と現在地を結ぶ大事な役割を果たすので5年後、3年後、1年後と整理をします。
転職や異動、出世など転換期となるような出来事も狙いを持って設計をすれば、準備や学習も計画的にできますし、逆算がしやすくなります。直近は、現在地からの延長線で、少し先の未来は現在地からではなくにとらわれずに抽象度も高くてかまいません。
STEP5|▶︎|ストーリーを書く
ビジョン、マイルストーンと現在地を結ぶのは「行動」です。
その行動を起こし、一歩ずつ着実に登っていくために最も欠かせないのが計画です。大まかな方針を言語化し、どんな経験をするのか?何を学ぶか?それらはいつまでにやるか?といったことを決めることが行動に繋がります。目的地到達までの物語を描き上げてキャリア設計は完成です。
設計時の落とし穴
実際に書いてみると様々なポイントで立ち止まってしまいます。
事前に少しでもそうした問題を回避できるように、これまでにキャリア設計のお手伝いをしてきた中での落とし穴についてまとめます。
落とし穴① 思考を止める
10年後や5年後は少し先の未来…。どうしても「未来なんてわからない」と思考を止めてしまう人がいます。確かに、私たちは予知能力者ではないので未来についてどうなるかはわかりませんし、予測はできませんよね。
キャリア設計に必要なのは、予測ではなくて自分の意思です。意思を言葉にするのは簡単なことではありませんし、少し先の未来まで問われることも学校生活や会社生活では多くありません。これまでの人生でどうしたいかを問われることが少なく、訓練もしてきていないので最初は意思の言語化に苦労する場合もあります。
イメージがわかないからできない、未来なんてわからないから考えても仕方がない、やりたいことなんてないと思考を停止するのはもったいない!まずは考えられる、描き出せる範囲で始めて、思考が止まりそうになったら誰かと話したりしながら視野を広げていくのが大事です。
落とし穴② 正解を探す
意思を示して書き始めた時に、将来の年収や仕事、それに必要な能力などを考え始めると正解を探してしまう人がいます。これまでの時代は、1つの会社に長期就労することを前提に、会社がキャリアパスを用意していて正解のようなものがあるケースもあったし、ロールモデルとなるような先輩や上司がすぐ近くにいました。それらを参考に、自分の答えを出すのが当たり前となっていますよね。
しかし、在籍期間が短くなり、転職が当たり前となった大転職時代ではロールモデルを探すのもひと苦労。キャリアパスも時代にあってないことや時間がかかりすぎることもしばしば…。そうした状況も踏まえると、これまでと違って正解のようなものはより見つかりにくくなっています。
そんな時代だからこそキャリア設計が必要になったので、「何を自分の人生における正解にしたいか」を考えて言葉で丁寧に言語化していくことの方が大事です。正解はないのだから自由に。できれば妄想全開でワクワクするような未来を描いておいた方が実現した時に面白いですし、自分をモチベートしてくれます。
落とし穴③ 完璧を目指す
思考を止めず、自分の言葉で言語化を始めた後にやってくるのが、「完璧」を目指すことで再び手が止まってしまう人がいます。
Careertrackのキャリア設計は、未来からの逆算で10年後→5年後→3年後→1年後と考えていくこと、年収→仕事→能力→方針の順番で決めていく構成となっていますが、このフレームもあくまで様々なアウトプット手法のひとつでしかありません。しかし、こうしたフレームやテンプレートを制限と考えてしまい言葉尻や型に引っかかってしまうことがよくあります。フレームやテンプレートは、ガイドラインとしての役割を果たしてはくれますが、完璧に守らないといけないものではありません。
特に、人生は自分のもので、キャリア設計も自分のためにするものなので、書き方も自由ですし、決め方も決まりはないと思うことが大事です。あくまで自分だけの人生地図を作ればよく、まずは自由に発想すること、永遠のベーダ版だと思って試行錯誤し続けることで少しずつ完成に近づけます。
もし、テンプレートやフレームを使う場合でも指示通りにできなくても全然OKと完璧を目指さずに、気軽に取り組みましょう。
まとめ
前編の「今、キャリアデザインが必要な理由」と合わせてご覧いただくと、これからの時代を生き抜くためには「自分の意思を言語化・可視化したキャリア設計が必要」で、具体的なやり方としてはこんな方法もあるということをお伝えできればと思って書きましたが、思いは届きましたでしょうか。
キャリアトラックでは、「働くを楽しく。人生をもっと自由に。」というミッションを掲げ、「自律型キャリアを日本中に届け、一人ひとりの可能性を無限に広げる。」というビジョン実現のためにCareertrackを開発・提供しています!
もちろん今回ご紹介したキャリア設計も機能として提供しています。質問に答えるだけでキャリア設計が簡単にできますし、作業時間も2〜3時間程度です。ぜひ、お試しで活用してみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
次は、「市場価値を確かめる転職活動」についてまとめますので、またよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?