13年7か月前に賞味期限が切れていた乾麺蕎麦をゆがいてみました。人生で最高に美味しいパキパキのぷりぷり蕎麦でした。蕎麦湯は最悪でした。

【時】
2019年のお正月
【場】
自宅
【状況】
自宅で年末に大掃除をしていたら、長年開封されていない段ボールを発見。その段ボールの中から乾麺の蕎麦が見つかった。「年越し蕎麦として食べれば良かった!」と悔やむのも束の間、外箱の表示を見てビックリ! 「賞味期限を13年7か月も過ぎている…」。しかしながら、乾麺蕎麦製造会社のサイトをいろいろ見て回ったところ「古い蕎麦は食べれなくはない」「乾麺は長持ちさせるためのもの」などのポジティブな記事(?)が目について、勇気(?)が沸いた。「食べれなかったら捨てればいいや」と半ば開き直って、調理してみることにした。

全く記憶に無い蕎麦でした…
「賞味期限 2005.5」…
13年7か月前に過ぎております…
外箱も包装も綺麗なまま。
未開封の段ボールの中で保管(=放置)されていたおかげでしょうね。
でも、
あくまでも「賞味期限 2005.5」…。
さすがに限度ってものがありますよね?
 
何度見ても「賞味期限 2005.5」。
13年7か月前に過ぎております…。
包装を開きました。
麺自体は綺麗です。
異臭はありません。
カビもありません。
ところどころ白っぽいのはカビではありません。
「湯がいていて変な臭いがしたら捨てりゃいいや」
という気持ちが湧き起りました。
いよいよ調理スタートです。
蕎麦の香りがしてきました。
でも…
お湯の色が変! 
薄めの味噌汁の色をしている!
湯がくにつれて、
だんだん“普通の味噌汁色”になってきました…
だんだんと味噌汁色が濃くなっていきます…
不安になってきました…
無事に茹で上がりました!!
見掛けは普通の蕎麦と何ら変わりありません。
ぷりぷりに茹で上がっています。
水洗いして麺を引き締めます。
あの味噌汁色が気になりますけど…
ざるに揚げた状態。
見掛けは普通の蕎麦と何ら変わりありません。
ぷりぷりに茹で上がっています。
今回は「ざる蕎麦」でいきます。
あの味噌汁色が気になりますけど…
あの味噌汁色が気になりますけど…
口の中で違和感があれば吐き出すことにしました。
では、いただきます。
あの味噌汁色が気になりますけど…
う、うまい!!!
コシが強い!!
(古典落語でよく登場する“パキパキした蕎麦”ってこんな感じなんだろうな)
と思わせる歯ごたえ!
弾力感が強く、コシの強い麺!
これは食が進みます。
個人的好みで、刻みねぎをたっぷり添えました。
ますます美味しい!!!
元々から美味しい蕎麦だったのでしょうけど、
長年保管されたことで熟成されたのでしょうか?
今までで一番コシの強い、
今までで一番美味しい蕎麦を体験できました。
意外な結果になりました。
おっと、忘れちゃいけません。
あの味噌汁色が気になりますけど…
この蕎麦を湯がいた際に出た蕎麦汁をボウルに移し替えてみました。
本当に味噌汁の色です。
試しに口に含んでみると、
単なる、どろどろのお湯…
吐き捨てました。
残念ながら、蕎麦汁は人間が飲めるシロモノではありませんでした。

蕎麦汁の酷さを体験してから
「そのうち、腹痛が起きるのではないか?」
と不安になりましたが、
体調不良や下痢などの反応は一切起きませんでした。
結果的には人生の中で一番おいしい蕎麦を賞味できました。
でも、
あの味噌汁色の蕎麦汁の不味さを考えると、
やっぱり“キワモノ”です。
「美食は危険と隣り合わせ」などと耳にしますが、
激しく同意いたします。
昔のやや不衛生な時代には「蕎麦に当る」と言って、
蕎麦を食べればかなりの高い確率で腹痛や下痢を起こしたようです。
“蕎麦でお腹を壊す”のは古典落語のネタの定番ですし。
これを防ぐために江戸時代の人々は蕎麦に山葵(わさび)をモリモリと載せて食べていました。山葵は食中毒防止の役目を果たします。寿司に山葵を挟むのも、刺身に山葵を添えるのも、食中毒防止の役目があります。
「そもそもから蕎麦という食べ物は“キワモノ”なのだ」というわけですが、
衛生状態や加工技術の進歩で今は安全に食べることができます。
15年前に製造されたと思しき乾麺蕎麦をこうやって無事に美味しく食することができたのは現代の衛生管理技術のおかげである、
と改めて実感させられました。
現代社会に感謝いたします。

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