相続放棄の申請を自分でやってみた。プロローグ
忘れもしない、夏の終わり。
一通の手紙。
懐かしい場所から。
名前は知らない人だったけど、どういう関係の人かはその地名だけで分かった。だって、もうそこにいる知り合いといえば、父の親族しかいないのだから。
何かが起きる時って、虫の知らせのようなものがあるんですね。
その日はパッと目に入った、ファミレスで夕食を済ませることにした。
子供と二人、いつもは話さない子供の頃の話をした。
悲しい話。
「あれ?なんでこんな暗い話してんの?私。」
首を傾げた娘に
「さぁ。」
と、返された。
家に帰ったら、手紙が来ていた。
祖母も父も死んだんだ。
もう、関係がないと思っていたけど、血縁てこういうことなんだな。
面倒だ。
終わった、今度こそ終わったと思って、何度こんなことがあったろう。
やらなければいけないことがたくさん。
TO DOリストが瞬く間に作成された。
こういうとき、フル回転してくれる私の頭。
常に片隅で考え続ける。
相続は放棄だ!