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子供達は何をもって季節を感じるのか
漸く秋に入りましたね。
私が住む関東はまだ夏日が続いていて、本当に、秋ってどこに行っちゃうんだろう?と思う今日この頃です。
北海道から関東にひっこして、かれこれ5年が経つのですが、いまだに「金木犀の香り💛秋だね💛」という現象に慣れません。
北海道出身の方はわかると思いますが、北海道には金木犀がありません。
調べたところ、やはり東北地方が北限のようで、ほとんどの道民が竹林の恐ろしさを知らないように、私も金木犀の香りを知らずに育ちました。
北海道が温帯でなく、冷帯(亜寒帯)であるということをまざまざと実感させられます。
関東に引っ越して最初の秋、子供達を公園で遊ばせているとなんだか「お風呂に入りたいな」という気持ちになるのが不思議でした。また、「この辺の人たちはお風呂に入るのが早いな」とも思っていました。
私の嗅覚は金木犀の香りを某入浴剤の香りと誤認識し、まだ15時だというのに、入浴したいとか、近所の人が風呂に入っていると誤解してしまったのです。
子供のころにテレビアニメで「ちびまる子ちゃん」を見ていて、「金木犀の甘い香りだぁ」とまる子がいっているのを見ても、金木犀を見たことも聞いたことも、図鑑をひくこともしなかったので知りませんでした。
関東に引っ越してきて、「金木犀の香り」がとても人気であると感じました。入浴剤だけでなくハンドクリーム、化粧品、ボディソープ、シャンプー、他にもペンからも香ってくる!
「めっちゃバス〇マン!」と私は心の中で叫ぶ。
私の中では、秋というと花が終わり、雪のない冬のような感覚だったりする。湿原のたもとで幼少期を過ごした私の中での秋の香りというと、
枯れ葉のにおい
キノコ狩りの時の土のにおい
しいたけ原木のにおい
温泉のにおい
焚火のにおい
とかなんだよな・・・全体的に茶色の香りがする。
ちなみに私が住んでいたところにはあまり銀杏とかもなかったので、そっちの香りは大きくなってからですね。
田舎だったので、子供だけで焚火とかしてましたね。ほめられたものではないですけど。
現在、我が家では私が匂いに敏感になりやすい為、香り付けをするものはほとんど持っていません。柔軟剤もありますが、一応、無香料を選んでいます。
秋になると、暑すぎず寒すぎずなので窓を開放することが多いので、ご近所の洗濯物から柔軟剤の香りが漂ってくる。風向きが変わると、香りが変わるのがなんとも面白い。
朝、早く起きられた時には散歩をするようにしています。
散歩をしていると、町のにおいがしてくるので、何となく季節を感じます。
今はまさに金木犀!お風呂場にいるような気持ちになります。
雨が降った日は湿った土のにおいもします。
これがもう少し寒くなると、山茶花や椿の香りもしてきます。
年末年始に実家へ帰省すると、薪ストーブの木の香りや雪のにおい、湿原の独特な香りがします。温泉の香りもします。硫黄ではなく、モール系の香り。サウナみたいな匂いがします。
春になると、すがすがしくて甘い香りがします。チューリップやクロッカスが咲くからでしょうか。
夏になると、小川から下水のようなにおいがしてきます。水かさが減るからでしょうか。
四季折々の眺めや香りをもとに、自分なりの原風景ができていくんだなぁと感じています。
私にとっての「四季の香り」と子供達にとっての「四季の香り」は違うんだ。生きている環境が違うんだ。と改めて感じます。
朝、起きる前に、すぅすぅと、寝息をたてて眠っている子供達を眺めながら、この子達はどんな四季をかんじているんだろう、そこに私はいるのだろうか、と考えた。
今日も金木犀がにおいたっている。
空気が日一日と冷え込んでいく。
まだ眠っている町の中を一人で歩いていると、急に寂しくなって「家に帰りたい」と思ったり、突然走りたくなって「どこまでも走っていけそう」と思ったりする。