抗がん剤による髪の毛脱毛~復活まで
2021年10月に卵巣がん+子宮体がん、ついでに大腸がんが発覚。11月に開腹手術を行い、12月から2022年3月まで全6回の抗がん剤治療(TC療法)を行い、無事にミッション完了となった。
抗がん剤による脱毛スタートからほぼツルになるまで
さて、抗がん剤=毛が抜ける のはそれこそ昭和の頃から固定されているイメージである。
私も、抗がん剤治療が始まる時に薬剤師さんに
「髪の毛って絶対に抜けますか?」と訊いてみたら「ほぼ100%抜けると思ってたほうがいいです」と言われた。ほぼ100%ということは「絶対抜けると思っとけ」ということであろう。
頭髪の抜けは初めての治療から2週間後にスタート
そんなわけで、来るべき脱毛に備えて医療用ウィッグを買い求め、医療用帽子もあれこれ揃えて準備万端で臨む。
第1回目の治療が終わって2週間ほどが経過した2021年12月末に、なんとなーく毛が抜け始めた。
そして2022年1月、第2回目の治療のために入院した際には、毎日面白いようにバッサバッサと抜け、部屋のゴミ箱が髪の毛だらけに。
掃除のおばちゃんに「髪の毛いっぱいでごめんね~」と毎日謝っていたような気がする。
「毛が抜けるよ!」の対処法はあっても「こう生えてくるよ!」の情報はほとんど無い
あくまでも私の場合だが、髪が抜けるということに対しての恐怖やショックはほとんど無かった。幸いなことに旦那も妻が禿げ散らかしていることを気にしないタイプだったので、頭頂部が怪しくなってこようと、中途半端に残ってるハゲ期だろうと、ほぼツルになろうと、何ら気にすることなく家の中を歩き回っていた。
帽子を被るのは外に出る時と、宅配便なんかを受け取る時くらい。パートに行く時はウィッグ着用。
病院などでもらう「脱毛への対処法」や、ネットなどを見ると「髪が抜けたらウィッグや帽子、スカーフなどで楽しみましょう♪」的な情報はいくらでもある。
ネットで「抗がん剤 医療用 帽子」なんて検索すると、それこそたっくさん出てくるから選び放題。
そんなこんなで6回目の治療が終わった頃の頭髪はこんな感じで。
さらに、4月末になるとこんな感じに。
この、治療終了後1ヵ月くらいが頭髪もまつ毛も眉毛もほとんど無かった。
それでも、コロナ禍の中パートに行ってたんだから今思うと頑張ってたなあと。
治療終了ひと月ちょいで、毛が復活の兆し
このまま一旦ツルツルになるのかな~などと呑気に構えており、旦那(坊主)と
「ツルになったら一緒に写真撮ろう!」などと盛り上がっていたのだが・・・、5月の連休が終わる頃、ふとアタマを触ってみたら・・・
「あれっ? 毛、生えてないか??」
なんと治療終了1ヵ月ちょっとで、ほわほわと毛が生え始めていたのだ!!
髪生えてきたな~と思って、何気なく自分の顔を見たら・・・、
眉毛もまつ毛も(しかも上下とも!)いつの間にか生えていた。
おまけに、要らない顔の産毛やら指の毛やらもしっかりと、しっかりと復活しておった。
まつ毛や鼻毛はいつの間にか抜けていたので、生える時もひっそりと、こっそりと生えるのだなあ。
生えてきたのは喜ばしいことなのだが、新たに生え始めた毛が・・・なんか、密度が高いというか、生えるスピードが速いというか。
眉毛なんて脱毛以前より太くて濃くなってしまった。坊主頭と相まって西郷どんみたいになっている。
頭髪も日に日に濃くなっていく(長くなるのではない)。
だって、これが治療終了後50日目くらい。
治療後2ヶ月で、こんなん。
短期間で、めっちゃ濃くなっている。
そして5月末頃には後頭部はこんな感じになっていた。
というわけで、キレイな(?)坊主頭が完成。
ここから伸びていくのだろうが、はて、この先私は髪をどうしていけばいいのか? という疑問が湧く。
確かに脱毛対策のことは丁寧に説明してくれているサイトが多い。
しかし治療終了後の髪の毛の生え方や段階的なケア、カットの方法などを教えてくれるサイトはなかなか無い。
女性としては、そこが知りたいところなんだがなあ。
坊主頭から髪が伸びていくということは、もう少し伸びていくと多分襟足が長くなり、その後にサイドが長くなり、トップや前髪がそれなりの長さになるのは時間がかかると思うのだ。
中には、一度も切らずに肩くらいまでの長さまで伸ばした人もいるらしいが、私にゃ到底無理。
どうなることやら・・・と思いながらただ放置しておいたのだが、いい加減襟足やら耳周りがうっとうしくなってきて。
これが2022年7月末の後頭部。治療が終わって4ヶ月経過で、こんなにうっとうしい。
耳周りやつむじの周りには寝ぐせがつきはじめ、襟足にまとわりつく毛もうっとうしい。
我慢ならず自宅でのカットをお願いした
5月末あたりが野球部な感じの坊主頭。
髪の毛は1ヶ月に1センチくらい伸びるらしいので、8月末には3センチちょっと・・・のはずなのだが、それ以上に「増えている」気がする私の頭髪。伸び方も人それぞれなんだろうけど。
で、スタートが坊主頭だとしてだ。そのまま何も手を加えずに、アタマ全体の髪が同じスピードで伸びていくとして、仮に半年伸ばしっぱなしにすると・・・、
トップも前髪も6センチ、耳の上も6センチ、襟足も6センチ伸びるわけだ。
トップや前髪はもうちょっと欲しい感じもするが、襟足が6センチって・・・ヤンキーかよ!!
・・・なので、やはりウィッグはまだ着けた状態で、自分の髪は少しずつ切って整えながら伸ばしていくのが良いと思われる。
が、美容院に行くのはまだちょっとなあ~という感じなので、元・美容師の友達にお願いして自宅でカットしてもらった。
後ろ姿はショートスタイルとしてギリギリ成立しているようにみえるが、前髪やトップはまだまだ短いので、もう少し伸ばさないといけない感じ。
切った髪を見てみると、ちょっとくせ毛っぽくてクルクルしている。
抗がん剤治療後に生えてくる髪は、薬の影響でこんな感じになるらしい。個人差はあるが、そこから数ヶ月、数年かけて少しずつ元の髪質に近づいていくことが多いそうだ。
ここからもウィッグのお世話になりながら、伸びて厚くなって我慢できなくなると自宅カットをお願いして、なんとか整えてもらった。
医療用ウィッグは、髪の毛の増減にも対応できるように後ろ部分の内側にアジャスターが付いている。
ウィッグを外したいタイミングって多分人それぞれなので、調整できるようになっているのよね。今さらながら便利だな~と感心してしまった。
髪は絶対生えるので大丈夫♪
というわけで、2021年3月末に抗がん剤治療が終了し、4月末にほぼツル状態になり、5月初旬から毛が生え始め、7月末には少々うっとうしいくらいに伸びた私の髪。
そこから3~4ヶ月に一度くらいのペースで、自宅カットをお願いして何とか整えてもらった。
美容師さんによっては脱毛後のカットに慣れている人もいると思うし(今回お願いした友人も経験アリ)、そうでなくてもフツーにカットしてもらえば大丈夫だとは思う。
ただ、トップやサイドまでちゃんと長さが整うまでにはそれなりに時間がかかると思うので、自分が望む髪型になるまで、髪質が戻るまで、何度かカットして調整していく必要があるかもしれない。
それにしても、ちゃんと髪の毛って生えるんだな・・・と、人間のカラダの不思議に感心した2022年であった。
ただ・・・期待していた「髪質が扱いやすいように変わる」ことはなく、さらに「白髪で生えてこないといいなあ」も叶うことはなく、相変わらず扱いにくい髪質で、きっちり白髪も生えている。
せっかく一度抜けるんだから、人生一度くらいサラサラヘアーになりたいなあなどと思っていたのだが、そうはうまくいかないらしい。
そして2025年1月現在、私の髪型はショートカットとして成立はしている。帽子ナシでももう外は歩ける。
大丈夫、髪の毛はちゃんと復活します!