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歯科治療は贅沢品
気分は深海魚。
かなりディープにブルー。
暗い海の底にゆったりと何も考えずに食べて生きることだけに集中していたい。
ふう~~~と深いため息をつく。
お腹の底が静かに燃えているのを知っているけど、表に出さないように、早く消えるようにと念じる。
今日も楽しいことは書けなくて、5月も最後の日曜日。
5月7日のお誕生日に上の歯の被せ物の前の部分が割れて剥がれ落ちた。
行きつけの歯医者さんはおよそ1年前に3か月ごとの定期清掃をキャンセルしてから行きづらくなって行ってなくて、さあて、どうしよう……。
平日は仕事の関係でなかなか歯医者の予約が取りづらい。
迷った末に新しくできた歯医者さんを予約。
今日が予約の日。
時間通りに行って、最初から驚き。
ドアを開けたら、受け付けの隣に先生の机があって、ずいぶんこれまでの歯医者と雰囲気が違う。
贅沢というほどではないけれど、手狭な空間に小奇麗なしつらえ。
先生の話し方も程よく聞き取りやすく、きっと良い先生。
うん、治療してほしかったよ。
だって、きっと腕も良さそうだもん。
説明だって丁寧にしてくれたし……。
でもね、ここには私の歯を治す保険適用の材料がないんだって。
「だからお力になれません」と、「行きつけの歯医者さんへ今日撮ったレントゲンを持って行って治療してもらってください」と。
はい、ありがとうございました。
そう、ありがとうございました。
わかるんだ。
最近、歯医者さんも過剰気味で、保険診療はあまりもうからなくて、良い治療をするためには私費で高いお金を出した方が良いし、そういう”お客さん”の方が歯科医院の経営も安定するし、歯科医師も腕をふるえる、って。
私の場合はもともと歯が一本無いらしく、そのせいで、ヘンなルールだけど、保険診療ではブリッジに出来ないってことも知ってる。
言外の「私費診療だったら綺麗に治せます。お力になれます」っていうのもね、感じ取れるよ。
ただちょっと残念なのは、そういう感じはHPとかにもうちょっとはっきりと書いてあったら良かったな。
そうすれば最初から予約しなかったんだけどな。
だいたい行きつけの歯医者に他の歯科医院で撮ったレントゲン写真のコピーなんか持っていけるほど強心臓ではないんだよね。
「こいつ他へ行ってみたのか」って思われるの嫌じゃん。
なんかな~~~。
貧乏人の悲しい怒りが、朝食べたグリーンカレーが胃を熱くしたみたいにふつふつしてるんだけど、貧乏なのは歯医者のせいではないので、憤りのぶつけ先が見つからない。
コロナ禍以降、普通の内科なんかも熱が出た時に受診できない問題が悩ましいのだけれど、やっぱり歯医者もか……。
というか、歯医者なんか、もっとかもしれない。
ある種の贅沢品。
歯がなくても一応ご飯が食べれてたりするし……。
健康で長生きできなくても、不健康な長生きは、歯の状態がわるくても出来る可能性は高い。
だいたい長生きってするものなのかどうかを、最近すごく疑問に思っている。
割れたところから銀歯が見えてて見栄えが悪いのだけど、マスクをしていれば見えないし、日本人はそれほど他人の口元をみないし、まあ、このままでもいいか……とちょっと思い始めている。
もう少し気持ちが落ち着いたら、治療についても考えるかもしれないけど。
(レントゲンだと他にも虫歯があるらしいから)
生きつづけていくのは、なんともしんどいことが多いものなのだと実感するはめになった歯科医訪問だった。