【後編】漫画著者×ママリ編集者対談📝30代で亡くなった女性とその姉を描く『子宮頸がんと闘った妹の話』つきママさん編
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この対談の登場人物
みやざわ:小5男子、小3女子の母
つきママ:中学3年生、中学1年生、3歳の母
3. 制作はスマホ「お絵描きアプリ」、シナリオは「日々考案」
みやざわ:つきママさまの作品は話数が長く、引き込まれる構成が魅力的です。編集者としては「3人のお子さんの子育てとお仕事もある中、どう描かれているんだろう」と気になってしまうのですが、1日のうちどの時間帯に、どのように制作されていますか?
つきママ:時間は主に子どもが寝た後ですね。作画自体はスマホのお絵描きアプリでタッチペンを使って描いていて、色は10色のみ・フリーハンドです。
みやざわ:え!タブレットやPCかと思っていました。
つきママ:3年前、末っ子の育休中に漫画を始めてからずっと、スマホのアプリです。使用できる色が10色しかなく、直線や円のツールもないのですが、もう慣れてしまって。
文字は、絵を描き終えたあとに別のツールで挿入しています。
みやざわ:すごいですね。
構成はどうしていますか?話数が長いのでシナリオ作成が大変なんじゃないかなと気になります。私が漫画制作に携わるときにはそこに時間がかかるので…。
つきママ:実は書く当日に考えているんです。もちろんいただいた体験談には沿いますが、細かい展開はお任せいただいているので、どうすれば読者の方々にメッセージが伝わりやすいか、読み続けていただけるかを考えています。
みやざわ:なんと…!そんな制作方法があるなんて目からウロコです!
つきママ:読者の反応を見ながら、展開の速さなどを考えているんです。読者の方がついてきてくれて、メッセージが最後まで伝わるのが大事なので。
みやざわ:SNSで活躍される漫画家さんならではの観点ですね。
4. 漫画の力で読者の気づきにつなげたい
みやざわ:漫画記事の制作担当として思うのは、漫画という心に訴えかける作品をご紹介することで、読者の方々に必要な気づきを呼び起こしたいなということです。
今回『子宮頸がんと闘った妹の話』で私や編集部、読者のみなさんに「検診を受けよう」という思いが広がったように、漫画には、気にとめていなかったことに気づかせる力があると思っています。
編集部としては、日常的にSNSを見ていない読者の方々にも、さまざまなメディアを通じて「わかりやすい言葉で」「思わず目をとめるようなサムネイルで」作品を訴求するようにしています。
今後も漫画家さんのすばらしい作品を通じて、読者の方の大切な気づきにつなげられたらうれしいです。
つきママ:私もそう思います。体験者の方の経験を漫画化することで、何か注意喚起できたらうれしいですし、漫画化後に体験者の方に「つきママさんに頼んでよかった」と言ってもらえるのもやりがいを感じています。
「闘病記」という難しく思えるテーマの漫画を、心をこめて制作されていたつきママさん。漫画制作は3年目だとおっしゃっていましたが、信じられないほどの作品数にびっくりします。
「初期の絵はひどかったのですが、それでも描けました。誰でも漫画作成を始められますよ」と笑顔で語ってくれたつきママさん。
忙しいはずの育休中、「漫画で発信したい」という思いを行動に移し、今は10万人ものフォロワーさんを抱える人気漫画家になったつきママさんは「かっこいい」の一言です。
このたびは、すてきな対談の機会をありがとうございました!
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