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渋谷つとめて〜早朝渋谷ランのススメ

先日、渋谷が好きという話を書いた。

そこでは夜の渋谷を中心に書いたのだが、これだけでは渋谷の魅力は充分とは言えない。

渋谷は朝も面白いのだ。

朝早く仕事に向かう人と朝まで起きていた人とが混ざり合い、徐々に高まるテンション曲線(x)と徐々に下がるテンション曲線(y)が渋谷の駅前で均衡(x=y)する。(この交点をスクランブル交差点という)

そしてこの絶妙にバランスをとれた街を、颯爽と走り抜けることが楽しい。

ちょうど先日読んだ「PLANETS10」という雑誌で、「走る人特集」の場所が渋谷だった。渋谷を走る魅力が上手くまとめられていて、これから渋谷を走る人が増えるだろうな、と思った。

「渋谷を走る」何が楽しいのか?

例えば川沿いや陸上トラック、ジムのランニングマシーンを走る場合は、風景があまり変わることなく、退屈になることもある。

しかし渋谷の風景は寸単位で変わり、走っていても飽きない。しかも夜のイメージが強い渋谷の街は、朝は全く違う表情を見せる。走っているうちに街にも詳しくなり、夜は眩しいネオンのせいで気がつかなかったお店を見つけたり出来る。

また様々な人たちが渋谷の朝には多く、人間観察の場としても楽しめる。

走りながら人間観察をしているうちに、「愛か金かゲーム」というものを考案した。

ルールは至ってシンプルで、円山町(ラブホテル街)から歩いてくる男女に遭遇した際、

・愛のある交際であれば、走るペースを下げる
・お金の絡んだ交際であれば、走るペースを上げる

というゲームだ。※全て主観で決める

こういったゲームに取り組めるのも、街ランの楽しみ方だろう。(たぶん違う)

走る時に気をつけること

渋谷を走るというと、よく言われる批判が「渋谷は空気が悪い」である。

たしかに空気は良くないと感じる。朝は夜に比べるといくらかマシだが、それでも他の場所に比べたら空気は悪いだろう。だから走る時にはマスクを着用している。多少息は苦しいが、無理なペースで走らなければ問題はない。

また渋谷を走るコースは大通りだけではなく、脇道に逸れたり、人通りの少ないエリアをコースに織り交ぜながら走ることを推奨する。代々木公園や目黒川、神泉、松濤のあたりが良い。マスクがあるとは言えども、悪い空気を吸い続けていると気持ち悪くなる可能性があるからだ。

マスクも嫌だという場合は、夜に雨が降った翌朝がオススメ。雨のおかげで大気中の不純物が洗い流され、空気が澄んでいる。(ただ地面は滑り安いので注意。)

早朝の渋谷ランも、いとをかし。

ぜひ一度、早朝の渋谷を走ってみてはいかがだろう。渋谷周辺にもランベースになる施設があるため、渋谷から遠い人でも安心だ。

それでは、早朝のスクランブル交差点でお会いしましょう。


渋谷はつとめて。坂の走りたるは言ふべきにもあらず、男女のいと熱きも、またさらでもいと寒き間に、予想しながら急ぎ駆けて、スクランブル渡るも、いとつきづきし。昼になりて、人も車も増していけば、街の空気も、白き煙がちになりてわろし。
―枕草子?

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