場面緘黙の子にどうやって「りんご」と言わせるか?
最近、塾の先生から「体験に来て一言も喋らない子にどうやって「りんご」と言わせたらよいか?」という相談がありました。
様子を聞くとお家では喋っている様子。
場所や人によって言葉を発せないという場面緘黙の様子かもしれないと思いました。
場面緘黙とは
発語させる声かけはNG
「これは何?」と聞いても話してくれません。と困る先生。
そうなんだよな~。。。
声が出せない子にとって発語させる声かけは、苦痛でしかありません。
写真のカードを使用して体験をしていたようなので、
「「りんごはどれかな?」と聞いてみると良かったかもしれませんね」
とお伝えしました。
言葉以外のコミュニケーションを使う
「りんご」と言えなくても、りんごを指差すことはできたかもしれません。指差しなら【りんごはこれ!】を伝えられたと思います。
できないことに気づいたら
「どういうことならできるだろう?」と考える。
【できた!】ができる関わりをする。
「私だったらカードを並べてりんごを選ばせたと思います」
「もし、選べなかったら「これがりんごだね」とカードを見せ、りんごのお話を聞かせ、「今日はお話が聞けたね」と成功体験で終わらせたと思います」と伝えました。
目から鱗が落ちた様子の先生。「早速やってみます」と仰っていました。
安心安全な関りとは
20年以上前、場面緘黙の女の子を担任したことがありました。
その当時は場面緘黙という言葉はあまり知られておらず、
どの先生も【緊張して喋れない子】というイメージで関わっていたような気がします。
当時の私なりに
・怒らない
・スモールステップ
を意識して関わっていましたが、
「小さな声でいいからおはようを言ってごらん」
「口ぱくぱくで言ってみようか?」
と言葉を言わせるような関り方が多かったように思います。
卒園式で返事をする。
おはようやさようならを言う。
結果としてできるようになったけれど、その頃の私にもっと知識があれば、もっと彼女にとって安心安全な方法があったのでは?と悔やまれます。
結果を急ぐ関りをしてませんか?
支援が上手くいかない苛立ちを子どものせいにしたり、
「話せないと小学校で困るよ」というような結果を急ぐような関りをしていませんか?
恐怖や脅しで得られた結果は再発します。
治すのではなく治っていく関りを。
おやこコーチングmamanoriaでは、支援者からの相談も受け付けています。