9月28日は世界狂犬病デー
海外旅行先で、可愛いワンちゃんを見つけたので、ついつい日本にいるような感覚で近づいていって、なでなで…。
動物好きの子どもでなくても、私たち日本人なら、そんな衝動に駆られることも多いでしょう。おとなしい犬だから、飼い犬だから、狂犬病にはかかっていないだろう…という認識も実は誤りです。
狂犬病は、ひとたびかかってしまうと、なんと致死率100%。今の医療では治すことのできない非常に恐ろしい感染症です。狂犬病を発症するのは、人も含めたすべての温血動物。 犬だけでなく、ネコ、コウモリ、キツネ、スカンク、アライグマなどでの感染も報告されており、狂犬病に感染しているこれらの動物に咬まれたり、唾液のついた爪でひっかかれたりすることで、私たち人間にも感染してしまうのです。
日本では、身近に狂犬病で亡くなった方がいるという話は、ほとんど聞きません。それもそのはず。日本は世界でも数少ない、狂犬病の発生していない国・地域(狂犬病清浄地域)なのです。日本のような狂犬病清浄地域はごくわずか。ほかに、オーストラリアやニュージーランド、英国など数か国しかありません。
日本では、「狂犬病予防法」という法律によって、飼い主さんは生後91日超の犬に、毎年、狂犬病の予防接種を受けさせることを義務付けています。そうしたことも奏功し、1957年を最後に、日本国内での狂犬病の感染は報告されていません(海外で感染し、国内で発症した例はあり)。しかし世界を見れば、実に毎年約55,000人の人が狂犬病で亡くなっているのが現実。インドや中国、パキスタンといったアジアや、アフリカ地域には、いまだに多くの発症例が見られています。
日本検疫衛生協会のHPには、1カ月以上、「東アジア」「東南アジア」「南アジア」「中近東」「太平洋地域」「北アフリカ」「中央アフリカ」「南アフリカ」「北・西ヨーロッパ」「東ヨーロッパ」「南ヨーロッパ」「ロシア」「北米」「中南米」に滞在を予定している人は狂犬病の予防接種を推奨する、とあります。特に、奥地や秘境、洞窟探検などの冒険旅行を渡航目的にされている方は、接種を考えたほうが良いでしょう。感染してしまったら治せない病気だからこそ、予防が肝心です!
子どもたちには、まずは日本人にはなじみの薄い「狂犬病」という感染症の存在を知ってもらうこと! これが、今日の大事なインプットで、犬だけじゃないよ、というのも伝えておきたいですね。今日(9/28)は、朝日小学生新聞の1面記事から、狂犬病について掘り下げてみました。
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