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どちらがより好きか

ときどき、娘とやるやりとり。

娘が「ママ大好き」というので、「ママのほうがもっと〇〇(娘)のこと大好き」という。すると娘が「〇〇なんてこーんなくらい好きなんだよ!」と言って腕をいっぱいに広げるので、「ママはもっとだよ!」といって遊ぶ、というもの。誰か見ていたらとても恥ずかしいやりとりだが、大抵広い道を自転車で走っているときでとても幸せな遊びである。

でもこのやりとりについて正直なところを言えば、今この時点ではきっと「娘が私を好きな気持ちのほうが大きい」と思う。まだ4歳の娘。彼女の目から世界がどう見えているのか知る由もないが(今度聞いてみようと思う)、そのときどき、好きなものや楽しいものに全力で集中しているように見える。その集中力は、色々なことを常に同時並行で考えている(雑念が多いともいう)私の比ではない。だから、「ママが〇〇を好きより、〇〇がママを好きなほうが大きいんだよ」と娘がいうとき、それはきっと本当にそうなんだろう、と思う。

でも、娘の世界はこれからどんどん広がり、今は私に向けられている熱量がそれらにどんどん分散していくだろうことも私は知っている。だから遠からず本当に「私のほうが娘のことを好き」になる瞬間がやってくる。そもそもいつまで「ママ大好き」と言ってくれるのかなあ、と娘がそれを言う度に早々に寂しい気分になりつつ、この恥ずかしいやりとりを精いっぱい楽しみたいと思う。


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