1.じゃあじゃあびりびり
タイトル じゃあじゃあびりびり
作者 まついのりこ
初版 1983/7
改訂初版 2001/8/27
出版 偕成社
出産祝いにたくさんえほんを贈ってくださった方がいて、
そのプレゼントの中に入っていたえほんです。
むすめがうまれる前から目にしたことはありましたが、
いただいてはじめて中身を見ました。
初版は1983年…わたしがうまれる前からあったようなので、
もしかしたら目にしていたかもしれませんが。
最初の感想は「?」
赤ちゃんは擬音(オノマトペ)が好きらしいので、
それを集めたえほんなのかな、くらいの認識でしたが、
いざ読んでみると、まだ5~6か月くらいだったむすめが
興味をしめしました。他のえほんを見せてもイマイチ反応が
なかったのに・・・そして、「ふみきり かんかん」で笑う。
えほんで笑ったのはこれが最初です。
むすめの食いつきようを見てから、
本の解説や数ある書評を読むと、なんで赤ちゃんがこの本を
スキになるのかがわかるような気がしましたが、
わたしは「赤ちゃんが実体験と本の中身を結びつけやすい本」
なのだろうなと感じました。
いっしょにお風呂に入るとき、蛇口から出るお湯をみて
「お湯がじゃーじゃー出てるねえ」、
お散歩中に犬や猫を見つけると「わんわんいるね」「猫さんが
にゃーにゃーだね」、
パパが運転する車に乗って「ブーブーはしるね」
と、親が何気なく赤ちゃんに使う言葉が、この本には詰まっている
ような気がします。
最初は「なんでこのチョイス?」と思っていましたが、
作者のまついのりこさんは赤ちゃんや子どもの世界をよーく見ている方
なんだろうなと想像します。
蛇口から出る水をむすめの手にあてながら、「これ、じゃあじゃあびりびりのじゃあじゃあだね」なんて話しかけるので、もしかしたらむすめの頭の中では「ほうほう、これがあのえほんと同じことなのね」なんて思っているのかな、と想像するとおもしろいです。
本の文章をそのまま読むだけでも良く反応してくれますが、
「お散歩で見た踏切だね」
「おうちにあるラッパのおもちゃとおんなじだね」
「くるまに乗っているのはお父さんかな?」
と、赤ちゃんの身近なものと結びつけながら読んだり、
「じゃあじゃあ」や「かんかん」を臨場感たっぷりに
大げさに読んで赤ちゃんと一緒に楽しんだりできる1冊だと思います。
わたしの中では、むすめがはじめて笑ってくれた本なので、
とても思い出深い1冊です。
「かんかん」でニコッとしてくれた笑顔はきっとずっと
忘れられない瞬間になると思います。