草地に放つ
愛馬を緑の草地に放牧したい。それが浦河へ来る発端だったので、他の人が見たら、何ということのない上の写真は、私にとっては夢のよう。乗馬が上手ければ、「馬を放つ」という映画のように喜べるのだが、これは私には無理なので、佇んで喜びを嚙みしめよう。
そんなの知らない
愛馬の方は喜ぶというよりは、まだ慣れない環境に少々パニック気味。到着するなり聞こえて来たのは大きな嘶き。道を挟んで隣の乗馬公園からも聞こえたほどだ。保育園初登園で泣き続ける子供のように、もうこれは気が済むまで嘶くしかなさそうだ。
忙しいし
下は私の牧場到着時、サンシャインパドックから遠くを走る馬が気になって仕方がない愛馬。一緒に走るかのように右往左往。止まったと思ったら、フレーメン。牝馬の匂いとかもするんだろうな。
いざ!
ここから隣の乗馬公園まで引いて行く。まずはこのサンシャインパドックで無口から頭絡につけかえた。舐められたらおしまいだから、と緊張しつつもどっしり構えなければと深呼吸。
問題はゲート
歩きながら嘶き、小走りになりがちな愛馬を、落ち着かせるために回転したりして、引いていった。乗馬公園入口のゲートは閂がかかっていて、興奮する馬を引き綱で持ちながら、開閉しなければならなかったのだが、牧場のスタッフの方がやってあげるよと、ついて来てくれ、開けてまた閉めてくださった。どれだけ感謝しても仕切れないくらい有難かった。
無事通過
牝馬がいるサンシャインパドックの近くを通るので、ここでまた緊張し、綱を引く手に力が入ったが、問題なく通り、丸馬場へ。
なんとか終了
丸馬場で調馬策をかけて、少しその中で過ごさせるのが今日の目的。調馬策を回すとキョロキョロ。私の指示にあまりしたがっていなかったが、それでもちゃんと常歩、速歩、止めて調馬策をつけかえて常歩(でもすぐに速歩。私の指示ではなかった)、速歩、駈歩、また調馬策を付け替えて反対も同じようにできたので、今日は良しとする。
場所に慣れさせるため、調馬策を外し、私が丸馬場から出ると、ゴロンとしていた。
ここから乗馬公園の馬たちが放牧されている姿が見えるので、何度も話しかけるように嘶いていた。
帰還
この後、洗い場で脚を洗って、牧場に戻り、馬房に一度入れて、頭絡を無口に付け替えてから、放牧場に放した。馬房に入ると、無口は牧場のスタッフの方が手渡してくれた。本当に有難い。自分一人だと、元の場所に戻らない場合、無口をどうすれば良いのだろう? と課題が浮上。どう動けば良いのか、まだわかっていない。1つずつ解決していかないと。
放牧
今日はこの放牧地。1頭にはとても広い場所なのだが、どの馬もお隣が気になるものなのだろうか。獣道がついている柵沿いばかりを行ったり来たり。真ん中に青々と草が茂っているのに。
柵の下の草ばかり食べていた。
隣は1歳の牡馬が数頭。気にはしていたが、まだ小さな1歳馬は「仲間に入れて」という感じではなかったのか、それほど嘶きはしなかった。
感謝でいっぱい
草の上にいる愛馬の姿に目を細めながら、ここに来るまで支えてくださった方々の顔を一人一人思い浮かべ、感謝の気持ちでいっぱいになった。今朝も師匠が来てくれ、乗馬公園までのルートを一緒に考えてくださったし、これからお世話になる牧場の社長さんも、ちゃんと馬を引けるのかを遠くから確認してくださっていた。乗馬公園の方々にも町役場のMさんにも本当に本当に感謝です。