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英国馬留学 - 快適!寮生活
週末の嵐で外馬場はまるで湖のようになっていた、というのが上の写真。
さて、人生初の寮生活。早朝に仕事をするので、個室にしてもらったこともあり、快適だ。高校や大学の留学・寮生活と違って、友達にならなくちゃ、作らなくちゃといった気負いもないし、食事の買い物、準備、料理、片付け、その他家事一切をいつも基本一人で行っている身からすれば、お腹が空いたなぁと思ったころに、温かい食事が食べられるのは本当に有難いし(感謝しかない)、イギリスの家庭料理が多く、つまり自分が料理しないような料理で、これがなかなか美味しい。若者、特に女性が多いからか、いつも何かしら甘いデザートまで用意されている(しかも手作りである事が多い)。リンゴ、バナナ、みかんがいつでも食べられるようになっているのも嬉しい。日本のように自動販売機はないが、いつでもコーヒーや紅茶、オレンジジュース等も飲める。ペットボトルや缶入りの飲み物は有料で、買う事ができる(用紙の自分の名前のところに印をつけて、後でまとめて払う)。
寮は別棟ではなく、屋内馬場の中にある感じ。オフィス、キッチン、カフェ/食堂、コインランドリー、トイレやシャワーも下の写真の奥側にコンパクトにまとまっている。乗馬レッスンへの移動時間がゼロと言って良い。
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Visualization
おかげで1日が長く感じられる。それで何をしているかというと、レッスンが行われていれば、極力レッスンを見学することにしている。最後のレッスンはだいたい18時まで(たまに19時までレッスンがあることもある)なので、自分のレッスンの合間や終了後に、とにかくレッスンを見学している。
レベルも色々で、レベルが高すぎて見ていて微妙なところまで私にはわからなくても、インストラクターがどんなアドバイスをしているのかを聞いているだけでも、ものすごく学ぶことが多いし、同じ45分のレッスンでも、その内容は実に幅広い。グループレッスンの仕方、個人レッスンの仕方、私にとっては毎回、目の前でショーが行われているようなものだ。
初心者やポニーのレッスンも、馬の動きと手綱の動きや扶助を理解するのにものすごく役立つ。何で動かなくなってしまうのか、スムーズにいかないのか、その姿は自分を見ているようだ。自分が馬に乗って同じことをしても、こんな風に第三者の視点で客観的に見る事はできない。視覚化、つまりVisualizationできたことで、よく聞くインストラクターの指示の意味が明確に理解できたように思う。動いている馬の上で聞いていると、もう過ぎ去った瞬間のことを指摘されるので、今一つ、感覚としてわからないでいた。リアルタイムでその瞬間を見て、その後、インストラクターの指示を聞いて、なるほどって思う。
上級者の騎乗を見ることで得られたvisualizationも大きな収穫だと思っている。今の時代、インターネットで動画を探せば、色々な情報が得られる。将棋の指し方、パターンというのだろうか、それも今はネットで手に入れられて、「情報のハイウェイ」ができ、あるレベルまではすごく早く上達することが可能になったと聞いたことがある。素晴らしいことだが、情報がありすぎて、なかなか思っているような動画が得られずに、探している時間ばかりが過ぎて行き、しまいには探すのが億劫になったりしないだろうか(私だけ??)。他の人の騎乗を見る機会が日本でないわけではないが、週末限定という感じだし、他の用事がはいったりして、普段の生活で長い時間、他人の騎乗を見る環境にいないし(インストラクターとかならたくさん見るのだろうが)、ものすごい高いレベルの騎乗を目にすることも難しい。ここで寮生活をすることで、移動や諸々の雑事に時間を取られることなく、集中して毎日騎乗を見る環境に身をおくことができるのが馬留学の醍醐味だなぁ。語学留学をする人達が、その言語の環境に身を置くことで学ぶのと一緒ではないかと思う。
Learning
レッスン終了後は何をしているかというと、部屋で馬のことを学んでいる。部屋にTVはない。そもそも自宅でもほとんどTVは観ないのだが、色々な雑事に気を取られ、気づいたら寝る時間になっている(一体何をしているんだ??)
Tallandでは平日は1日1回講義を受けていて、そこで得た知識や情報源を元に、さらに調べたり、復習したりしている。講師から教えてもらって、一番気に入っているのは、FEI(国際馬術連盟)が無償で提供しているFEI Campus。これまで馬の本を読んだりしても、いつの間にか字面を目で追っているだけになっていたりして、何も残っていないなぁと感じていた。FEI Campusでは、たとえば、馬の習性とか、入門的な色んな分野を細かく分けたコースを自分で選べるようになっている。コース1つに何日もかかる量ではなく、早いものなら1時間もしないで終了する。長ければ、何日かかっても良いし、最後にクイズがあって(つまり小テスト)、学んだ内容を確認できるようになっている。間違ったら、もう一度受け直すこともできる。これはもちろん英語なので、母国語よりも注意深く読まなければならないし、単語がわからなければ、ネットで意味を調べなければならない。この作業も私にはとても楽しい。
こちらでの講義は、多くの人はBHSのテストのための講義だが、私のように受けない人はどうするかというと、自分で学びたいことを毎回伝えて教えてもらう形式。最初は面食らった。何を学ぶって、普通(たとえば私のいるIT業界でのトレーニングの講義では)どんなことを学ぶのか、あらかじめ決められていて、そのためのテキストがきちんと作成され、講師はそれにそって教え、途中、演習を行う形式が多い。自ら、これが学びたいから教えてくださいって言って、講師は何も準備してないところから講義って、何を学べるんだろう? とちと懐疑的ですらあった。
しかし、これはこれですごく良いことに気づいた。私が学びたいという気持ちがあるものを私があらかじめ探しておく。何を学びたいか、どんな知識が足りていないと感じているか、自問する。知らないことばかりでどこから学んで良いかわからない。なかなかテーマが浮かんでこない。。。それでも考えていると、あっ、こんなことに困ったことがある、どうすれば良いかわからなかったことがある、と突然思ったりする。それを聞く。具体的にこれが聞きたいと思うと質問もつきない。人生でこれまでこんなに講義の中で質問したことはなかったと思う。もちろん英語での会話なので、聞き取れなかったり、理解できなかったりしたら、それも聞き返す。あるいは、その時間で学べきれなかったら、ネットのどこを見ればよいかを聞く。(それで知ったのが、先のFEI Campusだ。)日本にいたら、決して見つけられなかったであろうサイトに出会ったりする。すべてが準備されて、あとは講義に参加するだけよりも、得たい情報が得られていると感じている。