戻れば浦河は春爛漫
スペイン旅行に出発した日、浦河の気温は3℃だった。まぁ4月なら珍しいことではない。毎日快晴、真っ青な空のスペインから浦河に戻ったら、世界に色が戻り、春になっていた。
桜咲く
浦河に咲く桜はソメイヨシノではなく、蝦夷ヤマザクラとかなので、多少、葉も混じって咲く感じだし、色も微妙にピンクが強いだろうか。
オバケ桜
オバケ桜という、オバケ川(アイヌ語が起源だと思う)の近くの大木が満開になった4月25日に見に行った。JRAの敷地内なので、普段は入れないところに、ポツンと1軒ではないけど、1本だけ、周りに何もないところにある大木だ。春の桜が咲く数日間だけ、そばまで行くことができ、多くの人を惹きつける。
桜ロード
隣町、新ひだか町静内にある二十軒道路という桜の名所があり、観光バスで見に来る人も多い。
浦河にも道路の両側に桜が咲いて、まるで桜のトンネルになる道がある。二十軒道路よりも道幅が狭く、桜がより道路近く植わっているために、両側の桜の枝が重なり合うようで(一番上の写真)、二十軒道路よりも運転していて通る際の感動は大きいと思う。桜ロードと言われるのだが、ここの桜もほぼ満開だった。この後の週末は凄い人出だったのではないかと思う。動画を取りながら走る車や道路の真ん中に出てきて写真を撮る人もいて、危ないので、満開の週末は避ける、と決めている。夜にはライトアップされる。予想より早く開花したので、急ぎ照明の設置をしているところだった。
牧場は緑
桜だけでなく、色々な花が咲き始め、車を運転していても、スイセンやチューリップなどが並んで咲いていると、思わず笑顔になる。
しかし何よりも春を感じるのは牧草の青だ。正確には緑だが、この色こそが花を美しく見せるのだと思う。浦河では牧草地・放牧地が表面積に占める割合が大きいからだろう。そして牧草が青々としてくれば、馬は嬉しい。愛馬も夢中で食べている。
ガス、霧? 霞
冬には見られないのが海から上がって来るガスではないかと思う。地上にベールを掛けたような、うっすらと繭綿で覆ったような、美しい光景を作り出すことがある。
このガスが浦河の涼しさの源。地表を冷やしてくれる。今は寒いから、そんなに冷やさなくてよいです、と言いたくなるけどね。
未知との遭遇
美しいばかりではなく、このガスに厚く覆われて、すっぽりと入ってしまうこともある。先日がまさにそうで、国道を走っていて、ここからガスの中に入るという区切りみたいのがあって(上の写真を見ても、境目が分かると思う)、まるでテーマパークのアトラクション、ミステリーツアーに出発するかのように(スタッフから「いってらっしゃーい」と言われている気分)入ったら、全く前が見えない。中央線も見えないし、突然対向車が見えて怖い。自分の存在を示すためにライトをつけて、前のめりになって運転しないと、知っている道とは言え、どこを走っているのかわからない。直線と思ったら、カーブだったりして、緊張した。
かなり長い間、このガスの中で運転していて、だんだんと、ここを抜けたら、実は宇宙につながってたり? などと考え、ちょっと楽しくなったところで、国道から曲がらなければならないのだが、自宅へと曲がる道さえ、よく見えず、この辺だよなぁとさらにフロントガラスに近づいて確認。家に無事到着できてほっとした。向かいの牧草地では馬もなんとなく集まって草を食んでいた。そうだよね、対向車が見えないんだから、遠くに離れたらお互いが見えないよね。