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まもなくアカデミー賞

昨日は日本アカデミー賞の授賞式だったようだ。米国のアカデミー賞授章式は来週の月曜日(日本時間)、3月13日だ。ロードショーの映画が上映される映画館から100kmは離れている浦河では、ノミネート作品を観ることも難しい。実は気になっている作品がある。

Everything Everywhere All at Once

このタイトル、ちょっと舌を噛みそうだが、アジア系のアジア系によるハリウッド映画で、ものすごく独創的な映画らしい(もちろん、まだ観てない。映画のために苫小牧まで運転する気にはなれない)。

この映画はアカデミー賞に11部門でノミネートされている。その中で、私が受賞を祈っているのは助演男優賞ノミネートのキー・ホイ・クァン。映画も観てないのになぜ? 第一、誰それ? って思いますよね。

キー・ホイ・クァン

中国系ベトナム人の俳優で、かつて「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」や「グーニーズ」というスピルバーグの映画で中国系の子役を演じた人だ。

この人のインタビューを、毎週楽しみに観ているSunday Morningという番組で観て、思わずもらい泣きをしたのがきっかけ。先月末の放送で、最初は見たことない人だなぁと思って観ていたが、どんどん引き込まれた。子役として注目を浴びたものの、その後20年以上、オーディションを受けて連絡を待っても来ない日々を送っていたと言う。

その間、大学で映画を学び、映画に関わる仕事をしつつも、またオーディションへ行くと、インディ・ジョーンズのショート・ラウンド役あるいはグーニーズのデータ役として認識されるものの、役をもらえぬ年月が実に25年。普通だったら情熱を徐々に失い、自信も失い、映画の世界から身を引いてもおかしくないほどの長い年月だ。

転機

このインタビューの中で、「Crazy Rich Asians(邦題はクレイジーリッチ)」という映画を3回みて3回泣いたと語っている。あぁこの世界に、スクリーンのあっち側にいたいと強く思ったそうだ。

待つこと2ヶ月

そしてEverything Everywhere All at Once のオーディションに臨み、良い感触を得たと思ったのに、また連絡が来ない。もう気持ちが日々萎えて行く。が、奥さんだけはこの役をきっともらえると言ったそうで、その理由を尋ねると、この役は自分のために書かれたって言ってたし、誰より何よりもあなたが強く望んでいるからと揺るぎない。そして朗報が届くのだが、それはオーディションから2ヶ月も経っていた。(この辺りでもらい泣き)

シンガポール

ちなみに、この「Crazy Rich Asians」という映画をこのインタビューの後に、私も観てみたのだが、これがなかなか良いんです。しかも舞台がシンガポール。映画ほどのリッチな世界ではなかったが、仕事(ITでよくあるコンファレンスでの通訳)でシンガポールへ行った際、マリーナベイサンズでレセプションがあって、あの屋上のプールで水が波打つのを間近で見たし、映画の中ではでなパーティが行われる植物園で、3日間の仕事が終わってフライトまで時間があったのでのんびり散歩したのを思い出し、コロナで本当にすっかり生活が変わったことを改めて実感した次第。(また出張に行きた〜い。)

映画ではパーティの会場になっていた植物園
マリーナベイサンズ
マーライオンを後ろから
マリーナベイサンズ屋上でのレセプション

しかしクァン氏の空白は25年だ(コロナの3年どころではない)。そしていきなりアカデミー賞ノミネートである。どんな気持ちで授章式に行くのだろう? 部外者の私ですらワクワクする。夢のよう、とはこのことではないだろうか。

ゴールデングローブ賞受賞

映画についてとゴールデングローブ賞受賞のキー・ホイ・クァン氏のスピーチはこの方のNoteをご覧ください。


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