帰厩
今日は雨だ。隣の牧場の馬たちは終日厩舎の中だった。愛馬は雨の中、放牧されていた。いつもと違う時間に乗って、真っ暗の中を一緒に歩いて、厩舎に戻す(最近、夜は放牧せずに厩舎で過ごしている)と、飼葉に一目散。夢中で食べていた。
他の馬は雨でも昼夜放牧しているので、厩舎はがらんとしていた。厩舎の電気を消して、また明日ね、と声をかけてから帰って来た。広い厩舎に1頭だけ。それでも馬房に帰ると安心するのかな。
馬って母親と過ごす半年くらい以外は、身一つで生きて行く。潔い。自分では選べない環境に次から次へと移り住み、自らを慣らして行く逞しさ、気高さがあると思う。見習わなくてはと思う。
確か吉田善哉もそんなことを言っていたような気がする。馬には家族がいない、誰にも頼らずに生きている、と。吉川良の『血と知と地―馬・吉田善哉・社台』は大作、そして長い。無性に読み返したくなった。