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サマータイム

アメリカでは今月13日から、時計を1時間早める、というか進める、いわゆるサマータイム、正式にはDaylight Saving Time (DST)が始まった。先週、今週と定例会議でアメリカから参加するメンバーがいると、来週からは1時間遅くなるから気をつけて、と最後に確認するやりとりが続いている。ヨーロッパでは今月27日から。予定ではヨーロッパは昨年でこの制度が終了するはずだったが、コロナの混乱なのか、今年も続行のようだ。

DSTは全米で採用しているわけではなく、州が最終的に採用するかどうかを決めるので、例えばハワイは1年中、同じ時間を使っている。夏も冬も日照時間にあまり差がないからだと思う。浦河で冬を過ごして初めて、このサマータイムの意味がわかった気がしている。

冬の間もだいたい5時から5時半くらいに起きて、7時前に乗馬公園へ向かう生活をしているが、このところ、出発時間にはもう太陽がかなり上まで昇っている感じで、今日は遅くなっちゃったかな、と思って時計をみると、まだ早い、6時半にもなっていない、という感じだ。起きた瞬間から明るいから、キビキビと動ける。太陽の強さで、行動せよと体が指令を受けているかのようだ。

牧場とか馬関係の人々も冬よりも行動開始が早くなっているのではないかと思う。ほぼ毎朝厩舎で会っていた(馬の世話をし放牧してから出勤する)方々は、私がいつもの時間に到着すると、すでにもう世話を終えて姿は見えず、馬が放牧されている。

冬の間、私が通る時間には見かけなかった育成馬に乗る姿も見かけるようになった。

走路はいつも除雪してあったけど、走っているのを見るのは初めて

皆が活動開始している感じがして、これなら乗馬の時間を1時間早めて、6時に出発してもいいんじゃないかと思うほど。そう思って、これがまさにサマータイムの意味することかと納得した。真冬には暗くて寒くて活動しにくかった時間帯が、今や快適に動ける。これを使わない手はない。

早く起きて早くに眠れば、照明のための電気コストを節約できるだろう、というのがサマータイムの発想だった。とはいえ、すぐに受け入れられたわけではなく、コンセンサスを得られたのは、戦争がきっかけだったようだ。第一次世界大戦で採用されたが、不人気で廃止。第二次世界大戦で必要に駆られて(?)War Timeとして1年中、時間をずらしたことで、良し悪しというよりは慣れていったのだろうか。制度化するまで結構時間もかかっているし(1960年代だから戦後だいぶ経ってからだ)、全米の全州が採用しなかったのも、やはり面倒だとか、メリットを感じないと思う人々がいたのだろう。

サマータイム採用で、現在どれだけの節電になっているのかは知らないし、IT業界にいると、サマータイムへの切り替えのプログラミングはどうなっているのか、夜間バッチ処理とか、切替直後に混乱しないのかなどと考えてしまうが、東京電力管内の電力逼迫のニュースを耳にすると、一人一人の努力で節電する1つの方法として自分の行動を1時間早く開始するというのはありではないかと思う。

乗馬の時間を1時間早めようかな。今後の暑さ対策にもなりそうだし(←気が早い。まだ朝はマイナスだったり、プラスでも高くて2℃くらい。それでも暑いと感じて昨日も今日も乗馬中に上着を脱いだ)。乗馬サマータイム。アメリカのサマータイムが終了する11月6日に私も元に戻せば良い。うん、いいかもしれない。

(一番上の写真は今朝撮ったもの。仔馬のこういう爆睡する姿、本当に可愛い。運転しながら、横目でチラチラ見ながら、思わず顔が緩み、平和な気持ちで満たされる。)



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