ジジとキキがやってきた
我が家に猫が二匹やってきた。
一年半、我が家には猫がいない時間があった。
2014年4月13日にシルバーと言う名の雄猫が旅立ってから
1年半の記憶の色は薄曇りだった。
2015年10月18日
久々に太陽の日差しが我が家に差し込んだ。
私は、ひさしぶりに笑った。
気にしている出っ歯が剥き出しの笑顔を姪が撮った。
(アップした写真は削除した。。。)
うれしかった、ただ、ただ、嬉しかった。
二匹が私の左の二の腕に乗り、ごろごろと喉を鳴らした。
たぶん、母親のおっぱいを思い出したのだろう。
動物の本能とはすごい、
私の体で一番ぷるぷる、ぶよぶよしている部分を
二匹はすぐに見つけたのだ。
実は、本当は一匹だけの予定だった。
「赤毛のアン」のような物語だ。
高架線下の原っぱにいた捨て猫を小学生がみつけ、かくまっていたのを
親がみつけ、保護をしFacebookに掲載した時の写真。
当時私は自分が書いた詩や物語に絵をつけて絵本か詩集を作りたいと思い、絵画教室に通っていた。
猫好きな私に絵画教室の先生がそのFacebookを見つけて声をかけてくれた。
一目ぼれ。
雄猫とお見合いすることになった。
場所は絵画教室。
お見合いまでの一週間、ドキドキした。
喪失の悲しみは新しい出会いに恐れをいだかせる。
また、今まで飼っていた猫達に申し訳ないような罪悪感も沸いた。
約束の日、気持ちが落ち着かないので、姪に一緒に来てもらった。
時間になると、絵画教室にかわいい籠を持った親子がやってきた。
籠にはなんと二匹の猫が。。。
保護したのは3匹、そのうちの一匹は逃げてしまったが
お見合いの日の朝になって、突然姿を現したという。
戻ってきた猫は、どうも雄のようなので、
お見合い予定の猫と毛色も似ているので
どちらか良い方を選んでもらおうと思い
二匹連れてきたという。。。
おー、おー、二匹!
あまりの愛らしさに息をのんだ。
どちらか選べと、、言われても、
そんな酷な。。。
ジジにしがみつきながら眠るキキ。
お見合い相手の猫は、会う前からもう名前が決まっていた。
慈慈と書いてジジ。
ジジにしがみついて寝ている猫を引き離して、
ジジだけ引き取るわけにはいかない。。。
同行してくれた姪も無類の猫好きで、
もう一匹分を姪がサポートするから、、ということで、
すぐ主人に電話をし、確認を取り
思い切って二匹引き取ることにした。
家に着き、まずは水を飲む二匹。
家に着き、二匹を観察していると
ジジにしがみついていた猫は雄ではなく雌ではないかと思った。
以前飼っていた雌猫オリバーに似ている。
オリバー(左) と シルバー(右)
オリバーは、ちょうど写真に写っている位置、
家の玄関の前で車にひかれて動けなくなっているのを息子が発見した。
必死に逃げようとしたが、腰と足の骨が折れてはっているところを
保護した。
肛門の毛の模様を見て、雄だと思い「オリバー」と名付けたが、
去勢手術のために動物病院に行った時に雌だと判明した。
動物病院の先生から、
「お預かりしたシルバー君はシルバーちゃんです。
避妊手術なので一泊してもらいますね。
毛の模様から、間違えることはよくあるんですよ。」
と電話がかかってきた事を思い出した。
ジジと一緒に来た少し毛色が薄い猫は雄かもしれないが
喜喜、キキと名付けた。
動物病院に二匹を連れてゆくと、受付で
先生に「おっ、猫の宅急便ですね」と言われた。
実は別の意味もあったが、
「そうなんです。ジブリが好きなんですよ。。」
なんて、いい年して、照れ笑いした。
案の定、キキは雌だった。
姪は「柴咲コウ」に似ていると言った。たしかに、そうかも。。。
雄のジジはちょっとお間抜け、びっくらぽんの表情をすることが多い。
あの日から5年経ち、思うのは、猫は多頭飼いが良い。
兄弟は仲が良く、猫鍋といわれるように
折り重なって寝る。
そして、よくシンクロする。
しかし、良いことばかりではない。。。
トイレ掃除、抜けた毛の掃除、げろの掃除
服や布に毛がつく、柱、ソファ、障子がボロボロになる
冬は布団の上に乗るので、朝目が覚めると
体全体が凝っている、
夏は木戸を開けるので、蚊、虫が侵入したり
二匹が捕まえた虫、蛙、小さな蛇が枕元に置かれていたり、
夜中にお腹がすくと、ぺろぺろ攻撃で起こされ、
満月の夜は、大運動会が繰り広げられる。
還暦を数年後に迎えようとする身には
ちょっと体力的に辛い時もあるのは事実だが、
1に、かわいい、
2に、かわいい
3,4がなくて
5は、愛おしい。
二匹の猫は
今ここに生きる術を教えてくれる「にゃんこ先生」。
共に年を取り、老いても、なお互いに愛おしい存在である。
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