”宙に浮く感じがするほどおいしい”パンとの出会い
15年ほど前、「浅草のほうにおいしいパン屋さんがあるよ」という噂を聞き買いに行ったことがある。
イメージするパン屋さんとは違う店舗。
入り口でお店の方に、「パンが欲しいのですが」と言うと、「予約はされていますか?」と聞かれた。
予約!? 「……し、していません」と答えると、「今日は、食パンが売り切れて、バターロールしかないですが」と言われ、バターロールを1袋購入。
その日、仕事の打ち合わせで会った人がとてもグルメな人だったので、打ち合わせの帰り道、
「実は今日、おいしいパンを持っているんです! 一緒に食べましょ!」と、駅まで歩きながらバターロールを1個づつ食べた。
いきなりバターロールを渡されたその人は戸惑いながらも受け取ってくれて、一緒にバターロールを頬張った。
その瞬間、私の足は地面から浮いた! ような気がしたくらいおいしかった。
「おいしい~!!!! 今私、宙に浮いてる気がする!」と言ったら、「浮いてはないけど、このパン、本当においしいですね」とクールな返し。
でも、ペロッと食べて、「うまい」と笑った。
そのパン屋さんは、「パンのペリカン」という。
パン好きの人なら絶対に知っているパン屋さんだ。
その後も何度か食べているけど、毎回宙に浮いてる気持ちになる。
おいしいパンとの出会いはときどきあるけど、私の人生の中で”宙に浮く感じがするほどおいしい”パンとの出会いは、ペリカン以来なかった。
”宙に浮く感じがするほどおいしい”って相当なので、そうそう出会うわけがない。
ところが! ペリカンのパンと出会ってから15年。
人生で2度目の”宙に浮く感じがするほどおいしいパン”との出会いがあった。
18世紀ヨーロッパの田舎で食べられていた古大パン
「古大パン」。
この印象的な名前のパンとの出会いは、今年の誕生日に、友人が贈ってくれたこと。
丸くて大きなこのパンは、冷凍で届くので、自然解凍してスライスし、トーストして食べる。
珍しいパンをいただいたなぁという気持ちで、翌日の朝食に出した。
新しいものを食卓に出すと、手を出さないときもある夫が、迷わず手に取り食べた。
そして、「このパン、おいしいね」と言って2枚食べた。これは、とっても珍しいこと。
古大パンの中のチーズは、トーストしてもとろ~りするタイプではない。
しっかりチーズとして残っていて、パンの部分は私好みの焼き加減でトーストした。
私も食べてみる。
ひと口食べた瞬間、15年ぶりに”宙に浮く感じがするほどおいしい”を感じた。
「おいしい~!!!!」
原材料は、小麦ときび砂糖、塩とイースト、水。あと、黒ゴマとチーズ。
シンプルな材料なのに、なんだかものすごく懐かしい感じ。
「これを食べたかったのよ!!!!」という気持ちが沸き出てきたけど、このタイプのパンを食べたのは初めて。
けっこうなボリュームがあるパンなのに、あっという間に食べてしまった。
しばらくすると、「あのパンが食べたい……」という気持ちが抑えきれなくなり、贈ってくれた友人にどこで買えるのかを教えてもらった。
冷凍で届き、賞味期限は冷凍の状態で約1ヵ月。
このパンは常に冷凍庫にストックしておきたい。
公式LINEからのオーダーのみの通販。
東北のある街から届く古大パンは、送料がちょっとかかるものの、本当においしくて、常に冷凍庫にあることで幸せを感じられる。
最近では、常に我が家の冷凍庫には古大パンのストックがある。
ちなみに、チーズなしの黒ゴマのみタイプもある。
無花果のサラダが大好きなので、この季節になると無花果を見つけては買ってきてサラダを作る。
今年は、店頭に無花果が並びはじめる前から、「絶対に合う! 絶対に合う!」と妄想を膨らませて興奮していた組み合わせがこちら。
好きなものを全部乗せたサラダと古大パン。
このプレートは、2024年1位のサラダプレートになった。
冷凍庫の中に、常に”宙に浮く感じがするほどおいしい”パンがあるって、本当に幸せ。
古大パン、ぜひ食べてみてほしい。
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