『成長』は子ども達だけの専売特許なのか?
「大きくなったら~出来るようになるんだ!」
子どもの頃に楽しみにしていたことが沢山ありました。
私も大きくなって、もうだいぶ経ちました。まだ出来るようになることはあるんでしょうか?
アメリカの発達心理学者エリクソンさん。『成長』は子どもの頃だけではなく、人は一生涯発達し続ける!という考えの『心理社会的発達理論』を提唱しました。
私はこの考え方・理論が好きです。
「衰えていく」「老いていくばかり」とマイナスなイメージだった「年を重ねる」ことを前向きに「まだまだ学べて、まだまだ変われる!」と捉えることが出来るからです。
人はそれぞれの段階(年齢・年代)で乗り越える『課題』を持っている。そしてそれを乗り越える時に、マイナスで嫌な気持ちも体験するけれど、それより少しポジティブな気持ちをを体験することが、発達(成長)の為には重要なんだとエリクソンさんは説明しています。
例えば小さい頃なら、トイレットトレーニング。初めからパーフェクトに出来る子はいない。何度も失敗して「恥ずかしいな」とか、「自分には出来ないんじゃないか」と失望することも。だけど、成功することが増えていく。自分で自分の排泄を管理できるようになってきて「僕はお兄ちゃんになってきた!」と自分に自信を持てるように、自分を信じられるようになっていく。。。
子ども達は今の自分が「少し頑張れば出来そうな課題」を上手に見つけて、遊びの中でも取り入れて、乗り越えることをイキイキと目を輝かせながら楽しんでいきます。
「ボールが早く投げれるようになりたい!」
「もっと絵が上手になりたい!」
大人になるにつれ「頑張っても自分には出来るか自信がない」「面倒に巻き込まれるのは嫌だ」と課題にチャレンジする気持ちが少なくなり、クリアする面白さを忘れていってしまっているような…。
人間は社会の中(人とのやり取り)から成長していきます。改訂された学習指導要領でも大切なポイントになっている「主体的で対話的な深い学び」はまさしく!
ある事柄について、自分事として考えて関わり、価値観の違う他者と対話を重ねながら、課題を一緒に解決していく経験。人はその中で新しい知識や考えからを学び成長していく。
私は息子くんが小さい頃その小学校で3年間PTA会長をしました。
色々な価値観で子育てをしている人達と一緒に、組織としてPTAを運営していく。沢山悩んだし考えた。沢山の人と対話を重ね、沢山の人に支えてもらって、みんなと一緒に小さいことから大きな課題まで乗り越えた経験は私の人生を彩る大切な宝となりました。
その時に出会ったパパさん、ママさんは今でも大切な子育て仲間です。
PTA活動は戦後から始まりました。
貧しい家でもしっかりお昼ご飯が食べられるように給食が整備されたり、学校でのこども達の健康を守る為に保健室や学校保健システムが整備されたことにもPTA活動が影響しています。その他にもPTA活動を通して自治体や国が動き、こども達の環境の整備が進められて来ました。
現代の子ども達の学校生活。PTA活動の役割は何だろう。。。
私は思うのです。こども達のおかげで、大人が集うチャンスをくれている。集った仲間達と課題に取り組む、自身が成長できるチャンスをもらっている!
価値観の違う人が集まれば、いざこざが起きることも確か。そのトラブルはもしかしたらお互いに傷ついて悲しい気持ちになることもあるかもしれません。でもこのトラブルを乗り越える対話力を大人が磨く。そしてそれをこども達が見て学ぶ。こども達のお手本に。
「あぁ意見の違う人とはこんな風に話をして、お互いの気持ちを分かり合っていけば、仲良くなれるんだ。よし僕も相手に伝えてみよう!」
子どもの成長と共に、自分も成長させてもらったPTA活動。
今年度で息子くんが中学校を卒業する前に、広島県の小中学校PTAの皆さんと共に学べる機会をいただきました。
(第49回広島県PTA連合会研究大会東広島大会)
大きくなっても成長できるチャンス。今しか出来ないPTA活動。
少し頑張れば出来そうな課題を、他の人と対話しながら楽しみながら乗り越える!こども達の成長だけではなく、パパもママも、自分自身の成長も仲間と一緒に楽しんでみて下さいね!