心のスキマにスイッチを
スキマスイッチといえば、なにを思い浮かべるだろう。YouTubeで1億回再生を突破した名曲"奏"だろうか、それとも最近話題になり映画化もした「おっさんずラブ」の主題歌である"Revival"だろうか。アニメが好きな人には奏以外にも、"ユリーカ"とか"雫"、"ゴールデンタイムラバー"も馴染み深いかもしれないし、"ボクノート"や"全力少年"は言わずもがなだと思う。もしかしたら、常田さんのアフロを思い浮かべるかもしれない…
ピアノの常田さんは「doppietta」というプライベートレーベルを立ち上げ、ボーカルの大橋さんも多数のミュージシャンに楽曲を提供するなど、幅広い活動を行うスキマスイッチ。
今回は私の好きなスキマスイッチの曲をいくつか紹介したいと思う。
①藍
"奏"が真っ直ぐなラブソングなのに対し、"藍"は焦れったいラブソング。気持ちを伝えたいけど伝える勇気がでないもどかしさに共感する人も多いはず。「恋愛の成功率はね 散々でね いつだって成就しないまま とはいえ好きになっちゃうんじゃ もう嫌になるよ」の歌詞には分かり味しかない今日この頃。この"藍"にスキマスイッチらしさが詰まってると言っても過言では無い。名曲。
②糸の意図
恐らく芥川龍之介の「蜘蛛の糸」よりも、その元ネタといわれるポール・ケラスの「因果の子車」の方を意識したであろう曲。最初は君を一番に想い、君の下へ戻ろうとするのに、途中からは亡者から逃げることに変わっていってしまう男の曲。最後に見えた君の笑顔の意図はなんだったのか謎が残る。名曲。
③晴ときどき曇
溢れんばかりの爽やかさを、これでもかと詰め込んだ曲。爽やかさの暴力と曲に登場する二人の可愛さの暴力でひたすらに殴ってくる。漫画「君に届け」の風早くんよりも爽やか。「君が僕の方振り返って その思草がたまらなくて 幸せはいつもそうやって傍にいる」の歌詞を#仰げば尊死のタグでツイートしたい。名曲。
④パラポラヴァ
爽やかさの暴力Part2。宇宙から叫びだしたいのはこっちのほうじゃいと言いたくなるほど、とにかく爽やか。メロディーがスキマスイッチの曲の中で一番好きな曲。タイトルのパラポラヴァは、パラボラとLoveを組み合わせた造語らしい。名曲。
⑤トラベラーズ・ハイ
爽やかさの暴力Part3。聞くと高確率で旅に出たくなる。あとTomorrow never knowsも聴きたくなる。この曲を聴いてから旅行中のドライブがめちゃくちゃ好きになった思い出の歌。疾走感のあるメロディーと金管がとてもいい。名曲。
⑥Hello Especially
爽やかさの暴力は続くPart4。爽やかさと少しのノスタルジーがうまい具合に共存していて、青春時代を思い出すときの、あの感情を想起させる曲。メジャーデビューから10年目にリリースされた曲でもあり、「3650日分のメロディーと言葉をパッケージしよう」という歌詞が泣かせにきている。名曲。
⑦view
今度は一転、爽やかさとは真逆の失恋した男の気持ちを歌ったスキマスイッチのメジャーデビュー曲。失恋した男の女々しさと強気を生々しく歌っている。MV中に出てくるレモンは梶井基次郎の小説「檸檬」を意識したもの。小説では爆発させるのは主人公の陰鬱な感情だったけども、はたしてこの曲ではなにを爆発させるのかを想像しながら聞くのも楽しい。
⑧桜夜風
歌詞の美しさが群を抜いている曲。歌詞が美しすぎて、文学作品の一節といわれても疑わないレベル。「時は遥かに風が優しく 涙を美空へ拭い去る 戻らない日々と笑顔の影も 澄んだ夜に溶け」にかけての盛り上がりが好き。ピアノの音も歌詞の美しさも素晴らしいけど、何よりもラスト約10秒の余韻が素晴らしい。日本人の美意識を的確にかつ繊細に突いてくる、まさに雅。それか、いとをかし。名曲。
⑨未来花
確実に泣かせに来ている。好きな人への愛、友人への愛、そして親への愛。愛と一言でいっても、そこには無数の意味の愛が広がるけども、それら一つ一つ、小さな愛や小さな幸せを束ねて未来へと紡いでいく曲。曲の始まりから終わりまで、一つのテーマが一貫しているからこそ心に染み込んでくる。名曲。
⑩アカツキの詩
スキマスイッチの曲のなかで最も好きな曲。切ないラブソングと一言で括るにはあまりにも言葉が足りない。愛情も優しさも、切なさもやるせなさも、これまでの悲しさもこれからの希望も、すべてつぎ込んで作られたような曲。只々この曲を作ってくれて、歌ってくれてありがとうとしかいえない。名曲の中の名曲。
以上10曲を、私の感想と一緒に紹介させてもらいました。
今年に入り"奏"がYouTubeで一億回再生を突破したこと、最新曲"青春"が第61回日本レコード大賞の編曲賞を取るなど、嬉しいニュースが続くスキマスイッチ。
この記事を読んだついでに、ぜひスキマスイッチの世界に足を踏み入れてみてください!
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