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セプテンバー

9月は最も感傷的な月だと思う。
夏の暑さが和らぎ、同時にキラキラした思い出や熱く燃えた気持ちも落ち着いてくる。この時期に必ず聞く曲はRADWIMPSの「セプテンバーさん」
過ごしやすい夜に月を見上げながら、この夏を振り返る。
苦しいことも、思い出すだけで恥ずかしくなる思い出も、全部丸めて抱きしめて。夏の魔物におびやかされた心に優しくもたれかかってくる。

楽しいことだけをして生きていきたいけれど、そのためにはやりたくないこともやらなければならない。そこに苦痛を感じることはそれほどない。けれども楽な道があるとそれに逃げてしまう。いつのまにか負け癖や逃げ癖がついていて、自然の摂理に逆らえず下へ下へと流れてしまう。
自分の「弱さ」に気づいたのは大学3年生のとき。それまでは世の中に後ろ指さされる行動はほとんどしてこなかったし、自分が自分であるために幾重もの殻をまとっていた。それが少しずつ少しずつはがされて、「ありのままの自分で生きていく」という章に突入したように思う。ただしそれと同時に殻に閉ざされていた「弱さ」がどんどん私を蝕んでいく。流される心地のよさを覚えてしまう。少しずつ少しずつ自分の芯が霧に覆われてみえなくなっていく。
でもそれがいつまでも続くわけではなく、どこかで終わりはきてしまう。一人で立つことを強いられて、そのたびに自分を見つめてきた。そうしてまた懸命に上に登ったときに不意に新しい流れに流されてしまう。

色んな後悔をした。誰でも受け入れられる人間になりたかった。相手に心地いいと感じてもらえる、安らぎの場所になりたかった。でもそこに私の安らぎがあるとは限らなかった。受け入れたいという気持ちと恋しさをはき違えていった。本当はわかっていた。わかっていても、独りになるほうが怖かった。今もまだ、

何度目か。今度はもっと高く登ろう。すべてが見渡せて、流れを自分で選べるくらい高く、高く。そして自由に、不真面目に、すべてを味わえるように


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