マガジンのカバー画像

インティメート・ボランティア

23
親切心ではじめたボランティアが、いつの間にか自分の空虚の穴をうめるものになっていた。
運営しているクリエイター

#このままでいいの

インティメート・ボランティア 2

「志穂さん、きょうの午後のミーティング用に、これ20セットコピー用意しといて」

派遣先の3歳年下の沙紀が、30枚ぐらいある資料を志穂のデスクにどさりと音を立てておいた。志穂は、作りかけのグラフから目を離さずに、わかりましたと小さく応えた。

大した時間がかかるわけではないが、いちいち数枚のコピーまで志穂に頼みにくる沙紀は、うっとうしい。グループマネージャーである川崎でさえも、数枚のコピーなら自分

もっとみる