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【旅行記】VIVANT聖地巡礼inモンゴル 2日目

サインバイノー!(モンゴル語でこんにちは。お元気ですか、という意味もあるらしい)
発音の難しいモンゴル語も、この挨拶はカタカナ発音でも通じました!

↓第1日目。加筆修正しました。


さて、昨夜チンギス・ハーン国際空港に到着し晩ごはん半ラーメン半チャーハンを食べた後は夜通し車移動です。向かう先はバヤンザク。岩肌が真っ赤なので『炎の壁』とも呼ばれているそうです。約800kmの道のり。

よくよく考えたら、東京から広島くらいの距離ですね。それを一晩で車で移動。しかも日本ほど道路はきれいではなく、ひび割れていたり穴が空いていたり、かなり揺れるので超快適な道とは言えません。

目を閉じるものの熟睡出来るわけでもなく、どこを走っているのかもわかりませんでしたが(ひたすら南下している事はわかっている)、気がつけば瞼の向こうは明るくなっており、夜が明けたんだな…と。
と思うと途中停車し、ドライバーさんもしばしの休憩を取ります。

聞こえてくるのは車を叩きつけるような雨と、風が唸る音…。相当な悪天候です。
でもモンゴルは広いし、海外の天気はすぐに変わりそうだし…とこの時はまだ楽観的でした。

それに初めての場所を訪れる時に雨が降るのは幸運や歓迎のサインだと、色々な国々の言い伝えもあるので、むしろ「コレはいい旅になる」と受け止めていました。

雲が低くて分厚い。 なかなかこの雲の低さは体感がない

運転が再開され「朝ご飯を食べに寄ります」と言われ、お店にでも入るのかと思ったら、ドライバーさんのお兄さんのお宅に向かうとのこと。

脇には大きな水たまり

お宅は一軒家でした。到着するとすぐにお茶を出してくれました。一口飲んで「お、しょっぱい」。
モンゴルのお茶は塩味がします。

お家の方が朝ご飯を作ってくれました。薄いパンの上に目玉焼きと焼いたソーセージが豪快に載っかっています。

塩味のお茶とお家の方が作ってくれた朝ごはん(食べかけ)
ボールツォグ

大好きなボールツォグ(細いドーナツのようなもの)も出てきましたが「これは工場で作られたものだから固くて美味しくないよ」と言われました。本当にそうでした。5年前は手作りボールツォグをあちこちで食べて、素朴な美味しさに出された量全部平らげたほど大好きなのですが。


お家のトイレは離れでした(写真なし)。雨の中庭を走り小さな建物の扉を開けるとぼっとんです。便器はなく、2枚の板が渡してあって間で用を足す感じです。物を落としたり踏み外したりしないかと、かなりスリリングでした。
下を覗くとペットボトルとか色々落ちてます…。

手洗いは家の中、水は貴重な気がしたのでさっと洗わせてもらい、持参した除菌シートで手を拭きます(除菌シート大活躍しました)。

ガイドさん(しほと言います、と日本名を名乗りました。でもモンゴル人です)がリビングで「ちょっと横になってましょう」と促しました。
どうやら悪天候のため、工程をどうするか旅行会社と打ち合わせているようでしばらく出発出来ないようです。

その間にしほさんが「実はVIVANTを観たことがない」と言うので、スマホからU-NEXTで開こうとしましたが、日本国外では再生出来ませんでした。
仕方なくオフィシャルサイトの各話の予告動画を観てもらいました。

「面白そうですね」

その後しほさんはモンゴルで放送されたVIVANTをサイトで見つけ、スマホで第1話を一緒に観ました。
セリフはモンゴル語に吹き替えられていました。チンギス役のバルサーさんだけ、そのまま。チンギスの部下の警官2人も何故か吹き替えられていました。

私が横で暗唱している日本語のセリフをアテレコのように口にしていたら「モンゴル語全部わかるんですか?」と驚かれたので「セリフ覚えるほど何度も観ているだけです」と答えました。


しばらくすると旅行会社から指示があったようで、しほさんから

「予定を変更してホンゴル砂丘へ向かいます。バヤンザクは大雨のせいで通常2時間の道のりが7時間以上かかって、しかも道路がぬかるんで立ち往生している車が国の救援を受けているみたいです。バヤンザクは明日向かいます。明日は天気が回復するみたいだから」

と告げられました。さらに

「ゴビは4年振りに雨が降りました」

とのこと。すごいタイミングに来たものです…。

後で聞いたのですが、このようにゴビでは雨が貴重なので「雨が良い人を連れてくる」という言い伝えがあり、雨の日の来訪者は歓迎されるそうです。
いやー、私にとっては諸々ハードルが上がっていくんだけどな〜…。

とはいえ、VIVANT視聴も途中でやめ、慌ただしく出発。
見送りの際、家のおばあちゃんが車のドアを開けて、運転席・助手席・後部席のドアのヘリに鍋からミルクを少量かけていました。

「これは何の意味があるんですか?」

しほさんに訊くと

「無事に戻ってくるように、というおまじないです」

とのこと。
こういうのも「この旅は良い旅になるなぁ」とヒシヒシ感じて来ます。

車を走らせていると、奥の方はようやく青空が…。雨も弱まり回復してくれそうな兆し。

それは当たって、あっという間にめちゃめちゃ良い天気に☀️

途中、羊や山羊の群れが道路を横断していきます。モンゴルは他にも牛やラクダの群れがよく道路を横断していました。

モンゴルのラクダはフタコブラクダ🐫です

そうこうしていると「お昼ご飯にします」との声。正直車に乗っているだけなので、全く消化しておらず「全然お腹へってないのにな…」。
でも仕方ないです。

入ったお店は思いの外オシャレなカフェ風。韓国から来た若者のグループがたくさんいました。

オシャレな内装。ゴビでは韓国人グループをたくさん見かけました。直行便が多いせいかもしれません
ミルクティと牛肉の麺。麺は正直あまり美味しくはなかった…。
トイレの貼り紙。貴重な水洗トイレ。紙は流せないので脇のゴミ箱へ。
リバース🤮は正しい使い方です。

このお店でハンドメイドのウールの大判ストールが売られていて、3万5千トゥルグ。日本円で約1500円。
※日本円への換算方法は、トゥルグの下一桁の0を取り残った値を半分にすると大体日本円に。簡単🎵
この計算方法は、昨夜空港に着いた際、他の団体客のガイドさんが大声で説明していたのを盗み聞きして知りました。

「これで1500円? やっすい!!」
色柄もすっかり気に入ってしまい即購入。

最終日のホテルで撮った写真ですが、こんなストールです。毛糸で編まれているような感じ。裏地もあってあったかい。

トイレも水洗で済ませられたことだし(紙はなかった)、ホッとして出発。

更に車を走らせると、道路はついに完全未舗装エリアへ…。しかも雨のせいでところどころに大きな水たまりがあり、それを避けるように走らせるため徐行・蛇行を繰り返します。恐ろしいほど揺れます。そんな状態が3時間近く続きました。

なかなかの地獄時間…。

やがて遠くに低い白い山脈のようなものが見えて来、「もしかしてアレがホンゴル砂丘ですか?」

連なる砂丘は幅が約100kmあるそう

ついに見えてきた。けれど真っ直ぐ進むわけではないのでなかなか到着しないです。

「通行料を払って正規のルートで入ります。そうしたらドラマの撮影ポイントです」

着いたかなと思ってからまだまだ車は道なき道を行く(というかぬかるんでいるので水たまりを避けながら蛇行を続ける)。
もうどこでもいいから早く降ろして欲しいという気持ちと、撮影場所にいかないと意味がないという気持ちの葛藤。揺れる車内。酔いやすい私。過酷すぎる。
着いたと思ってから40分近く走っていた気がします。

目的地手前で車を降り、ほったてのトイレに行こうとしましたが、半端ないハエの大群に諦めます。
このように毎回トイレが安息の場にならないため、当面便秘との闘いにもなりました。

そして。
ついに。

ホンゴル砂丘

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

この湿地と緑はまさにVIVANTep1で乃木さん・野崎さん・薫さん・ドラムが馬で疾走した、あの場所ではないでしょうか!?!?
天気もすっかり良くなって、最高のロケーションとなりました!

VIVANT ep1のシーンが甦ります!!

しほさん「砂丘の頂上目指しましょう」
私の心の声(いやーあれ登るのか、きっちーなぁー。でも阿部寛さんも1時間掛けて登ったって話していたしなぁ)

ペットボトルの水を持ち、紫外線対策の帽子・長袖上着(旅行中ほぼジャージ)、虫や砂よけのネックゲーター(自転車乗る時使っていたもの)を巻き、サングラスを掛け(重装備)、ぬいとアクスタをカバンに入れ(最も重要)、いざ頂上目指し登り始めました。

本当にVIVANTの世界です!!

アドレナリンのせいもあるし、普段から旅のために足腰を鍛えている甲斐あってか、思った以上にスイスイ登れ、むしろしほさんがめちゃめちゃへばってました。
そんなしほさんを置いて頂上目指しました。

「天照大御神…イエスキリスト…アブラハム…アッラーよ…誰でもいい、助けてくれ。俺はこんなところで死にたくねぇ…」というVIVANT冒頭のドキモを抜かれるシーンが甦ります
ここから転げ落ちた乃木さんは、奇跡の少女ジャミーンに助けられ、大冒険が始まったのでした…
こういう装備でした。後で「そこは乃木さんと同じポーズしないと」って友人に責められました。

頂上に到着すると、ここまでの工程の疲れが一気に吹き飛びました。脳内ずーっとVIVANTのテーマソングが流れています。
※骨伝導イヤホン持って来ているのに車に置いてきた…

そしてネットもバンバン繋がります。すごいな!
リアルタイムでこの光景をSNSでも発信。

頂上からの眺め、絶景。陽射しで暑いけど乾いた風が気持ちいいです
脈々と続く砂丘
しほさんに「名前残したらいいですよ」と言われ、私の名前なぞ残してもなぁ、という事で

夕刻近いせいか他に人はそんなにいなかったのですが、近くにドイツ人ファミリーがやって来てソリで滑り降りて遊んでいました。
最近ドイツ語を勉強しているのでドイツ語が聞こえて来て、嬉しくてつい声を掛けてしまったのでした(英語で…。ドイツ語は挨拶に留めた)。

後でチェックしたら、MIATモンゴル航空はフランクフルトとの直行便を飛ばしていて(当然コードシェア便もあるだろうし)、なるほど、他の街でも欧米人だ、と思うとドイツ語が聞こえてきたりしたのはそういうことか、と思いました。ただゴビでは韓国からの若者グループが多くて、欧米人はほとんど見かけませんでした。

別れ際に
「Tschüss!(さよなら)」
と声を掛けると「日本語でTschüssは何て言う?」と訊かれたので「さようなら、ですよ」と答えると「サヨナラ〜」って言ってくれました。
旅はこういうとこが好きです。一期一会。

モンゴルに来たぞぉ〜って叫びたくなります
砂丘の真横に緑と湿地というギャップもすごい光景です

砂丘を降り、今日泊まる遊牧民宅に車で向かいます。
本当に道なき道(轍はある)を行くので、「ドライバーさんはどうして前に進めるのか?」と不思議でした。だってナビも付けていないし、GoogleMapで場所を確認する様子もないです。

後で聞いた話、このドライバーさんはゴビ出身で、ゴビの人でないとこうはいかない、とのことでした。すごいな。
ちなみに向かった遊牧民宅もドライバーさんの妹さんが嫁いだ先のお宅とのこと。

遊牧民宅のゲルからの眺め。夕日
向こうに見えるのがホンゴル砂丘。最高の景色でした

着くとすぐ晩ご飯の支度に取り掛かりました。ボウズ(餃子みたいなの)作ると言います。
水道はなく、入口近くに置かれた大きな甕から柄杓で水をすくってお鍋に。燃料は何かの根っこのようなものを燃やしていました。

家畜の山羊のお肉を使ったボウズという餃子作りが始まりました
包み方を教わり、ボウズ作りをお手伝い…日本の餃子とはちょっと違う、華やかな包み方というか

家の中央にある薪ストーブに大きな鍋を置き、そこでお湯を沸かしてボウズを蒸して行きます。
程なくして出来上がり。

「家のお母さんは普段幾つ食べますか?」と訊くと「7つくらい」とのこと。
「私は5個が限界かな〜」と言ったのですが、7〜8個盛られて来て「全部食べてね byしほさん」
「…」

モンゴルのビールと山羊肉のボウズ。モンゴルの広大な大地の、たくましい味です。全部は食べ切れませんでした…

食事の後はラクダに乗せて来れる事になりました。スーツを着ていく訳にはいかなかったので、ジャージ姿で乗ります。

食後は長女さんがラクダに乗せてくれる。ちなみにこの長女さん、BLACKPINKペンでした。仲間 笑
21時くらいでもまだ黄昏。ラクダは馬と違ってしゃがんだ状態で乗るので、立ち上がる時がスリリングでした

ラクダの身体はうっすら蒸れがあり暖かそうでした。
乗り心地は馬と同じ感じではあります。ラクダのコブは想像より平べったかったです。

ラクダに乗った後は水洗トイレと簡易シャワーがある場所まで車で少し移動。他にもツーリストが集まっていました。シャワーは浴びず、洗顔と歯磨きを済ませます。

「明日は6時朝ごはん、7時出発です!」

しほさんに言われ、それぞれのゲストゲルへ。

私が泊まったゲスト用のゲル。ストーブないし天井は空いているけど、不思議と全く寒くなく、虫も少なくて快適でした。

虫を覚悟していましたが、ほとんどおらず感動しました。念の為『蚊がいなくなるスプレー』を散布。

以前テレルジのツーリストゲルに泊まった際は、ハエ取り紙がぶら下がっている時点でもう察し…ベッドの上にもたくさん虫がいて結構しんどかったのです。
またそのゲルには薪ストーブが設置されていて、確かに燃してもらわないと寒くてかないませんでした。

でも今回のゲルにはストーブはなかったです。それでも全く寒くなく、快適でした。外もそこまで寒くなかったです。南部だからでしょうか。

ここでプチ問題発生。
充電用バッテリーが漏電していたのか、スマホの充電がうまくいかないのです。明日起きるためにアラーム鳴らさないといけない。温存のため夜空の写真撮りませんでした(号泣)。

ただ…夜空は本当に素晴らしかったです。蠍座が地平線を這うようにくっきりと見えたのには感動しました。都心では絶対無理だから。

ずっと見上げていると、たくさんの人工衛星が飛び交っているのもわかります。中には怪しい動きをしているのもあって「偵察してるのか?」なんて妄想してみたり。

また最も驚いたのは、無音の世界。

日常の静けさと耳鳴とは全然違う、無音の圧迫感と言うか、何も音がしない。あの体験もまた感動的でした。

ゲルには電気がなく、スマホのライトがなければ真っ暗に。ただ充電トラブルがあったため、お宅から非常用ライトをお借りしました…ありがたかったです…。
朝早いので、早めに寝ます(それでも0時近かったかも)。

横になってしばらくすると、犬の遠吠え、動物の群れの存在を感じる声などが聞こえてきました。
※訪れた2軒の遊牧民宅には、いずれも犬が2匹いました。山から降りてくる狼などから家畜を守るためだそうです。

そしてハエの様な羽音…でも弱っている様子。スプレーが効いたみたいです。安心…。

快適なベッド、動物の声…
ようやく足を伸ばせた安堵感から、珍しく熟睡出来ました。

こうして2日目が過ぎました。
旅を振り返った時、このゴビ地方が最も良かったです。この遊牧民宅がとにかくとても良かったです。景色も含め。




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