かくして僕の初のドライブ旅行は終わり、地元に戻ってきた。
仕事はそこそこ忙しく、休んだ分溜まった案件をこなしていると残業で22時近くになることもあった。
家や父の事が気がかりだけど、メッセージも送れない日が続いた。
そんなある日、彩子さんからメッセージを受け取る。
そうだった。チャンネルを紹介してもらっていたんだ。
平日はこんな毎日だからちょっと厳しいなと思い、その週の週末に視聴することにした。
そうして金曜の夜、残業はもう打ち切りにしようと19時に会社を出てコンビニで缶チューハイと酒のアテを2~3品買い、家に戻った。
プルトップを開け、彩子さんが送ってくれたURLを転送してPCで動画を再生した。
『皆さん、こんにちは。透です』
『彩子です』
『強迫症という病気について広く理解を広げるためと、辛い症状に悩む患者さん、そしてその周囲の人々のサポートに何らかのヒントや良い方向に向かうきっかけになればと始めている僕たちの活動。今回もメッセージで連絡頂いた方のエピソードを紹介していきたいと思います』
『今回はS県にお住まいの "ストロベリーショートケイク" さんからです』
#8へつづく
Information
このお話はmay_citrusさんのご許可をいただき、may_citrusさんの作品『ピアノを拭く人』の人物が登場して絡んでいきます。
発達障がいという共通のキーワードからコラボレーションを思いつきました。
may_citrusさん、ありがとうございます。
そして下記拙作の後日譚となっています。
ワルシャワの夢から覚め、父の言葉をきっかけに稜央は旅に出る。
Our life is journey.
TOP画像は奇数回ではモンテネグロ共和国・コトルという城壁の街の、
偶数回ではウズベキスタン共和国・サマルカンドのレギスタン広場の、それぞれの宵の口の景色を載せています。共に私が訪れた世界遺産です。