猫には告白できる話、人には話せないこと

（11）月子さんとノブちゃんへ
　
　何日もメールをしないですみません。ヌーディストビーチでのその後、どうなったのかと疑問に思っているのに違いありません。実は自分もどう説明すればいいのかわかりません。それで何日も悩んでいたのです。説明できないことを、どう説明すればいいのか、と。あたかも何もなかったかのように伝えることもできるでしょう。嘘を書くこともできるはずです。
　でも、考えあぐねた末、正直に話すべきだと覚悟を決めました。

　とくに月子さんには辛いかもしれません。自分はあなたにいっさい説明しませんでしたから。本当は月子さんに正直に打ち明けるのが怖くてしょうがなかったのです。
　正直に話して拒絶されたら、それは終わりを意味します。それに自分はノブちゃんを傷つけたくなかった。彼はたぶんあのことは墓まで持っていくつもりだったのでしょう。自分が月子さんに正直に話したら、ノブちゃんが自分を許してくれないのではないか。だから黙っていたのです。あなたを騙すつもりなんか微塵もありませんでした。

　猫には打ち明けられても、人には。。。。誰にも話せません。
　でも、ありのままを話します。

　ショックを受けるかもしれません。
　許して下さい。
　また、メールします。
（続く）

ーしんちゃん、ハポンから何しに来たの？
ーしんちゃん？！？
ークレヨンしんちゃんはこの国でも大人気さ。
ーじゃ、僕はあなたをマヨルカちゃんと呼ぼう。

ーお土産は？スシが食べないな。
ー忘れたよ。今度ね。。。何が食べないの？
ーオススメは？
ーカニみそとか。。。実は話したいことがあるんだ。

ースシが食べたいよ〜〜〜〜ん！