『球体の動物園』創作大賞感想文
人生、半世紀を超え、読む物も変わってきたなぁと思います。
絵本、漫画、児童書から始まり、純文学、推理小説、自伝、啓発本、ノンフィクション、随筆、歴史書へと移り、ビジネス書、ノウハウ本、、、段々と実用的な本ばかりに。
そんな私が、久しぶりに「お!」と思い、小説を読むようになったのは、半径100mさんの
『あなたに濁点を打つ』からでした。
、、、いや、
『大道芸人』
ん?
『愚痴回収ボックス』だったような、、、。
いずれにしても、この方の小説はコンプリートしているのでまったく問題ありません。(言い切る)
軽妙で、意外性があり、時に透明で、時に残酷、エロで無邪気で巧妙で、、、。
万華鏡のように、作品の一つ一つが移ろい、読む人を絡めとるのです。
ね、中毒性高し、でしょう?
その中に、ひときわ不思議な物語がありました。
まるで当たり前のように「動物」と「人」が集い、街中で繰り広げられる日常が綴られています。
繊細なエミューとの焼き鳥屋での語らいがあり、縁側に遊びに来るたぬきの正体とスローなロリスはどこまでいそげるのかについて悩みつつ、乙女をどぎまぎさせるカバと男前ゴリラがいて、、、。
粒ぞろいのお話が輝く、
『球体の動物園』。
それぞれは独立したお話なのに、どこかでゆるくつながっています。
一見、和やか、、、ちょっとザワザワしてしまうこともあるけれど、やっぱり「まあるい」。
そんな世界に入ってみたいな~と、思わせてくれる作品群です。
新作にあたる『ゴリラVSイメージ』。
初読みでラストにほくそ笑んだわたくしは、再び舞い戻るのでありました。
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