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いい人って、なんだ。

すっかり冬の空気になった仕事からの帰り道。

横断歩道の信号が赤に変わり、
いつものように
ポケットからスマホを取り出す。 


そしていつものように
何気なく開いたインスタグラムの
投稿にハッとさせられた。

それは、これからママになる
大学の先輩の投稿。


いいお母さんより
幸せなお母さんの方が
子どもはずっと幸せになれるらしい


もちろん、
お母さんになる予定はない。

けど、
この言葉がずっと
頭から離れなかった。


"いい子"
"いい人"
"いい女"
"いい先生"
"いい部下"
"いい上司"

子どもの頃も
大人になってからも
ずっとそれに
縛られてきたような気がする。

「いい人でいなくちゃ」

毎日毎日、
呪文のように繰り返される
その言葉の後には
一体、何が続くんだろう?


『いい人でいなくちゃ、受け入れてもらえない』


たぶん、これだ。

目立たないように、
大多数が掲げる意見や理想に見合うように、
相手の機嫌をいつもうかがって、
基本的にNOは言わなくて、

・・・いい人って、なんだ。


いつも自分を監視して、
決められた枠からはみ出してないか、
周りからどう思われているか、

そんなことばっかり気にして生きる人?

そんなのただの"都合のいい人"だ。


けど、

そんなつまらなくて苦しい生き方を
嫌だと思いながらも
選んでしまうのは、

きっとそのほうが楽だから。

目立たず、
荒波を立てず、
おとなしくしていれば、
とりあえずは受け入れてもらえるから。

でも、

そんな生き方、ちっとも楽しくない。
頭ではわかってる。
わかってるんだけど・・・怖い。


"いい人"のままでいれば、
"いい人"でいるように努めれば、

大きく傷付くことはない。

けど、きっと自分をどんどん失ってしまう。

どっちの道が
自分にとって幸せだろうか。


だったらやっぱり
私は、幸せな自分でいたい。

初めは疎まれたり、
笑われたり、
心ない言葉が飛んでくるかもしれない。

けど、それでも、
自分を幸せにしてあげたい。


ずっと赤信号だと
渡ってはいけないと思っていた道は、
本当はいつも青だったのかもしれない。

いや、そもそも信号なんて、
きっとなかったのかもしれない。


いずれにせよ
この道を渡るのは
まだ少し怖いけれど、
向こう側へ行ってみようと思う。


きっと先輩は、"幸せなお母さん"になるだろう。

だから私も、
"いい人"ではなく

”幸せな人”になるために。

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