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待つのが苦手な君。

君は「待つ」のが苦手だ。

それがわかってるから
本当に悪いと思いながら、
僕はよく君を待たせてしまう。

待っているときの君は
まずそわそわし始めて
少しずつ不安そうな素振りをみせる。

それから少し怒ったような顔になって
そしてすぐ、無表情になる。


ここまでくると相当まずい。
だってそれは君が「諦めた」サインだから。

― だって、怒っても意味ないでしょ。


待たせちゃいけないとわかっているのに
性懲りもなく僕が君を待たせてしまったとき
君が僕に言った言葉だ。

あの時の君は
哀しそうで、もう何も期待しない。
そんな目をしてた。


人も、自分も、

信じることが苦手な君は、
待つことが苦手だ。

信じることができないから
すぐ不安になって
一瞬、怒りを覚えて
そして、

もうこれ以上、傷付かないように
今を諦めるんだ。


「もう傷付きたくないの」


僕は君を
傷付けたいわけじゃないし、
もう2度とそんな顔をさせたくない。

でもね、僕のことはもう少ししてからでいいから
まずは君自身のことを信じて欲しい。

君は「ちゃんと愛されてる」って。


そして、いつかまた
もし僕が君を待たせてしまったら、
ちゃんと叱って欲しい。

そんな意味不明なことを言う僕を
君は呆れた顔で笑いながら叱ってくれたね。


大丈夫。信じて欲しい。

君自身のことも、未来も、今も。
そして時々、僕のことも。


いつもの喫茶店で
珈琲を飲みながら待っている君の横顔が
穏やかで、たまらなく綺麗だった。

そんな君に見とれてしまったのは内緒なんだけど。

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